スパ! 実はちょっと前から、オレたちの住むケニア・アンボセリのマサイエリア、大変なことになっているんだ。コロナ関係なく、水不足。幸い、オレの住む村の被害はそこまでではないが、直撃の村は大変だ。
その昔は、「雨が降らないから水不足」になっていただろ。オレたちがどれだけ水で苦労してきたのかについては、マサイ通信を第1話から読んでもらうとして、とにかく恵みの雨だった。ところが今は、「晴れないから水不足」になっているんだ。何が起きているのか簡単に説明しよう。
ウチらの住むエリアには、いくつかの井戸、ならびに貯水タンクがある。オレの村の中にも井戸はあったが、壊れてしまった → 直した → また壊れたのは既報の通り。
そんなこんなでオレたちは片道30〜40分ほど歩いた先にある貯水タンクから水を確保している。ここが一番近いんだ。ここの貯水タンクは特にトラブルなく動いているので、オレたちは、まぁ、大丈夫つったら大丈夫。
ところが!
マサイのエリア内にあるいくつかの貯水タンクは、「ソーラーポンプ」ってのを使って水を汲み上げてるのね。英語で言うと「solar borehole pumps」ってやつを使っているの。手動でシュコシュコやるんじゃなく、ソーラーパワーの電動で汲み上げて、タンクに貯めて……ってな感じ。
んで!
このところのアンボセリ、ぜんっっっぜん太陽が出てないわけ。そしたら太陽光で充電とかもされないわけ。そしたらポンプも動かないわけで……いつしか貯水タンクの水も空っぽに。つーことで、水が出なくなった貯水タンクを使っていた人たちが、「水難民」になっているわけなんだよ。
遠くの方から、オレらが使っている貯水タンクに水を汲みに来る人たちもいる。オレらの場所で片道30〜40分なので、ゆうに片道1時間はかかるだろう。いいや、あるいは、もっとだ。キツイぜ〜。そんな毎日だ。
今、アンボセリに住むマサイ族のオレたちは、神に向かって「太陽を出してください」と祈っている。昔は「雨を降らしてください」と祈っていたのに、今は逆のことを祈っているんだ。どちらも目的は「水」なのに、逆のことをお願いしているんだ。皮肉なもんだよ。神様も混乱しちゃうよな。では、オレセリ!