昔は「雨が降らないから水不足」だったのに、今は「晴れないから水不足」になっている / マサイ通信:第396回

スパ! 実はちょっと前から、オレたちの住むケニア・アンボセリのマサイエリア、大変なことになっているんだ。コロナ関係なく、水不足。幸い、オレの住む村の被害はそこまでではないが、直撃の村は大変だ。

その昔は、「雨が降らないから水不足」になっていただろ。オレたちがどれだけ水で苦労してきたのかについては、マサイ通信を第1話から読んでもらうとして、とにかく恵みの雨だった。ところが今は、「晴れないから水不足」になっているんだ。何が起きているのか簡単に説明しよう。

ウチらの住むエリアには、いくつかの井戸、ならびに貯水タンクがある。オレの村の中にも井戸はあったが、壊れてしまった直したまた壊れたのは既報の通り。

そんなこんなでオレたちは片道30〜40分ほど歩いた先にある貯水タンクから水を確保している。ここが一番近いんだ。ここの貯水タンクは特にトラブルなく動いているので、オレたちは、まぁ、大丈夫つったら大丈夫。

ところが!

マサイのエリア内にあるいくつかの貯水タンクは、「ソーラーポンプ」ってのを使って水を汲み上げてるのね。英語で言うと「solar borehole pumps」ってやつを使っているの。手動でシュコシュコやるんじゃなく、ソーラーパワーの電動で汲み上げて、タンクに貯めて……ってな感じ。

んで!

このところのアンボセリ、ぜんっっっぜん太陽が出てないわけ。そしたら太陽光で充電とかもされないわけ。そしたらポンプも動かないわけで……いつしか貯水タンクの水も空っぽに。つーことで、水が出なくなった貯水タンクを使っていた人たちが、「水難民」になっているわけなんだよ。

遠くの方から、オレらが使っている貯水タンクに水を汲みに来る人たちもいる。オレらの場所で片道30〜40分なので、ゆうに片道1時間はかかるだろう。いいや、あるいは、もっとだ。キツイぜ〜。そんな毎日だ。

今、アンボセリに住むマサイ族のオレたちは、神に向かって「太陽を出してください」と祈っている。昔は「雨を降らしてください」と祈っていたのに、今は逆のことを祈っているんだ。どちらも目的は「水」なのに、逆のことをお願いしているんだ。皮肉なもんだよ。神様も混乱しちゃうよな。では、オレセリ!

Report:ルカ(マサイ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

« 前の話へ | 第1回から読む

カテゴリー ケニア, コラム, マサイ, マサイ族, マサイ通信, 井戸, 戦士, , 水不足, 海外

コメント

コメントを受け付けておりません。

  プロフィール  PR:無料HP  米沢ドライビングスクール  請求書買取 リスク 千葉  アニメーション 学校  IID  中古ホイール 宮城  タイヤ プリウス 新品  コンサート 専門学校  中古パーツ サイドカバー  不動産 収益  四街道 リフォーム  トリプルエー投資顧問 詐欺  コルト 三菱 中古  シアリス 効果