世の中には「一度気になったことはすぐに調べないと気が済まない」という方も多いだろうが、筆者はそのタイプではない。「後で調べよう」と思いながら数日が経過し、数日後に思い出しても数分で忘れることがままある。悪い意味で非常に水はけの良い脳味噌の持ち主である。
が、先日Uber Eatsの注文サイトにおいて、「爆発的にデカい唐揚げ専門店 爆カラ」という名前の店を発見した時は違った。どうしようもないほどに目を奪われた。一体「爆発的にデカい唐揚げ」とはどんな唐揚げなのか。その問いが頭の中を埋め尽くし、心は乱れてやまなかった。
「爆発的にデカい唐揚げ」に行動原理を支配された筆者は、さっそく注文することにした。補足しておくと、「爆カラ」は居酒屋チェーン「てけてけ」の運営会社が2020年9月15日にオープンしたゴーストレストラン、つまり実店舗を持たないフードデリバリーサービスである。
「てけてけ」がそうであるように、「爆カラ」も関東エリアを中心に展開しているようだ。筆者の自宅は幸いにも配達区域内。唐揚げのデリバリーに関しては割と運が良い方だ。風水的に唐揚げのエネルギーが流れている土地なのかもしれない。
さておきメニュー表を眺めると、看板メニューの「爆発的にデカい唐揚げ」には通常の味付けに加え、大量のチーズをトッピングした「爆チーズ」や、たらこマヨ味、ねぎポン酢味などが用意されており、さらには「爆発的にデカい」わけではない並サイズのものもあった。
今回は通常の味付けのもの(2個入り・680円)と「爆チーズ(2個入り・880円)」を選択。余談だが、「爆カラ」の注文ページにはメニュー名の英訳が併記してあり、「爆発的にデカい唐揚げ」は「giant karaage(ジャイアント カラアゲ)」となっていた。人生で見た中で最も心震える英語だ。
そして実際に自宅に届いた実物も、人生で見た中でトップレベルの大きさを誇っていた。爆発的にデカい。コンビニのフライドチキンと同等くらいか、あるいはそれ以上か。唐揚げとしては破格のサイズだ。
箸で持ち上げたなら、ずっしりと重い。手首が震えてくるほどに重い。興奮を覚えつつ、まずは通常の味付けのものから食べてみる。
口に含んだ瞬間、油っこいまでのジューシーさがガツンとやってきた。パリパリとした衣の食感ののち、しっかり下味のついた鶏肉の旨味が広がり、肉そのものの重厚感が味を増幅させる。
結果として、豊潤な味わいがしつこさスレスレの域に達している。だがそれが心地良い。このパワフルなテイストがツボにハマる。
続いて「爆チーズ」の方もいただく。付属の説明書きによれば、チーズトッピングをレンジで温めてかき混ぜてから、唐揚げにかけて食べる方式のようだ。
余すのも勿体ないのでたっぷりチーズをかけて食べてみたところ、こちらはしつこさスレスレどころか、抜群にしつこい。とろりとしたチーズの風味が加わることで、冗談みたいに濃厚な仕上がりとなっている。
だがそれが心地良い。「心地良い」を便利遣いしすぎかもしれないが、このジャンク具合がたまらない。食べているうちに、いや一口食べるや否やしつこさがクセになる。気付けばボリューミーな唐揚げをすんなり2種類とも完食していた。
というわけで、「爆発的にデカい唐揚げ」はインパクトとクオリティを兼ね備えた、とにかく記憶に残る唐揚げだった。満足である。最初から最後まで、こちらの心をつかんだまま離さずにいてくれた。
もし読者の方も興味を惹かれたなら、この魅力あふれる唐揚げをすぐにでもチェックしていただきたい。「後で調べよう」は禁物である。
Report:西本大紀
Photo:Rocketnews24.