2012年12月29日、37年の歴史を持つ人気カレー店が閉店する。東京都新宿区のカレー店『夢民』は、インド式カレーとして1975年に開店し、地域住民や大学生たちの胃袋を満たしてきた。公式サイトもつくられ、大量生産はできないものの、通販もやってきた。
しかし37年目の今年、ついに幕を下ろすことになったのだ。その理由は、店を切り盛りしているご夫婦の体調といわれている。事実、公式サイトには治療のため営業が困難であることが書かれている。実際に食べればわかるが、ここのカレーはインド式でありながら、非常に珍しいテイストがウリだ。
今回食べたのは『ベーコンエッグ野菜curry』にキノコトッピングをしたもの。味は確かにカレーなのだが、カレーライスというよりも、カレー風味の野菜を食べているかのようである。つまり、野菜の量がハンパじゃなく大量なのである。
一口食べると、あまりにもアッサリとした「サラサラ感」に驚くはずだ。野菜もカレーも自己主張せず、スパイスの「爽やかさ」だけが味覚神経を刺激するのだ。しかし、2~3口ほど食べれば「サラサラ感」よりも「スパイス感」が強くなり、いつまでも脳裏に残るガツンとしたウマミが押し寄せる。
時間差で野菜の美味しさがカレーのスパイスと同化し、食べから時間をおいて「ウマミ」となって味覚に伝わってくるのだろう。ジワジワとやってくる美味しさがあるカレーだ。人によって好き嫌いがあるかもしれないが、「カレーマニア」であればあるほどこの美味しさの虜になるはず。
こんなにも美味しいカレーが今年で食べられなくなるというのは非常に寂しいものがある。どうしても食べたいという人は、毎日行列ができているので、時間に余裕をもってお店に行こう。閉店時間は14:40となっているが、早ければ13:30あたりから「行列に並ぶこと自体を断られる」かもしれないのでご注意を。
会計時にもらえる飴が美味しい。37年間も美味しいカレーを作り続けてくれてありがとう。そしてさようなら。いつかまた、その味に再会できることを願っています。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 夢民
住所 東京都新宿区大久保3-13-1
時間 11:30~14:30
休日 日曜・月曜・祝日
URL http://www.mumin.jp/
Correspondent: Kuzo
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