ライターはみな、おそらく常に「なにか面白いものはないか」とアンテナを張り巡らせて生活している。『クレヨンしんちゃん』のおしりを作れるこの商品を見たときは「人気作品だし、作ってみたら楽しそう」と素直に思った。
子どもは「おしり」が大好き。その1語だけで教室は爆笑の渦に飲み込まれ、テンションはうなぎのぼり。類似のパワーワードを使った学習参考書「うんこ漢字ドリル」の大ヒットは過去記事でお伝えしたとおりである。
そんな子どもたちに、どこでも躊躇(ちゅうちょ)なくおしりを披露できる野原しんのすけが人気なのは必然ともいえる。というわけで、しんちゃんの「ケツだけ星人」……もとい「おしり」を再現できるプリンを作ってみたのだが、あんなことになろうとは……。
・「しんちゃん でっかい! ぷりぷりプリン」(税込540円)
株式会社ハート「しんちゃん でっかい! ぷりぷりプリン」は、手作りプリンのキット。手提げバックのような、箱形のパッケージに材料が収められている。対象年齢は8歳以上で「お子様が小さい場合は、大人のかたがつくってあげて下さい」とある。
内容物は「え、これだけ?」というくらいシンプル。プリン型と小袋が3つ。あとは自分で牛乳を用意する。
「プリンのもと」の小袋にもちゃんとキャラクターが印刷してあるのは好感が持てる。メインはあくまでおしりだけど。
味は2種類あり、まずイチゴプリンを作る。100ccの牛乳で粉を溶かしたら、電子レンジで加熱。お鍋やガスコンロを使う必要がないので手軽である。
スプーンで型に流し込んだら終わり。
続いて主役のおしりプリンを作る。工程は同じで、300ccの牛乳で粉を溶かしてから加熱する。
ただしイチゴプリンよりも量が多いので、ダマにならないよう牛乳を少しずつ混ぜることと、加熱用のマグカップを複数個に分けることが推奨されている。
型に流し込んだら粗熱を取り、冷蔵庫で冷やす。作業は単純だが、ここだけちょっと注意が必要。
ポリプロピレンでできたトレイは柔らかく形が変わりやすい。そこに正味400ccの牛乳がタプタプに入っている状態なので、こぼさずに冷蔵庫に移動するのが少し大変だった。
・4時間後
冷蔵庫で4〜5時間冷やしたら完成だ。爪楊枝などで空気を入れて、お皿にあける。
まずはイチゴプリンだが、可愛くできた。シロのふわふわした感じもよく出ている。
プリンは粘度の高い質感で、位置決めする前にお皿に貼りついてしまうことには少し困った。説明書きにはあらかじめお皿を濡らしておいた方がいいとあるが、それでも貼りついてしまい、無理に動かすとプリンそのものが崩れてしまうおそれがある。
続いてはメインのおしり。空気を入れてから、お皿にあけると……
で、できた……!
できたのだが……これは思った以上におしり! 色といい、形といい、光沢といい……おしり以外の何物でもない。立体になると、アニメや漫画とはまた違った肉感というか、生々しさがある。
その生々しさは、ちょっとデコったくらいでは消えそうもない。
ライターである以上、見たこと、感じたことを言葉にしてお伝えすることが使命である。しかし、これは一体なんてコメントしたらいいんだ? いいおしりですね……それとも、リアルなおしりですね……。
しかもプリンという食べ物は、なめらかで弾力がある。お皿を持ち運んだときにぷるんぷるんと左右に揺れる様は、まさにケツだけ星……。いや、みなまで言うまい。これ以上、記事を下品にするわけにはいかない。
・最後に一言
もう一生分「おしり」という単語を使った。これ以上書いてもドツボにはまるだけのような気がしてきたので、記事を閉じたいと思う。
最後に1つだけ言っておきたい。クレヨンしんちゃんの下ネタの数々は、二次元だからこそ許される側面があるのだと。立体にしてはいけないと。
実際に作る場合は、子どもが腹を抱えて笑う横で大人が青ざめることになる可能性を忘れず、また、1度皿に出したら位置替えがとても難しいということだけ心に留めて欲しい。健闘を祈る……。