つ、ついに来たか新時代! これまで昆虫食といえばマズいというイメージが拭えず。お世辞にもウマいとは言えないものばかりだったが、とうとう機は熟したらしい。
こういうのも「未来コオロギスナック2」がまさかのウマさ。正直1ミリも期待せずに食べてみたのだが……想像以上の味であまり昆虫らしさを感じなかったのだ! こ、こんな昆虫食は初めてかも!!
・新商品の昆虫食
同商品は都内の某スーパーで購入した。新商品棚に置いてあって税込213円。商品袋には「コオロギは地球を救う」「近未来ラーメン味」、さらにはかわいいコオロギのイラストが描かれているなど、どうにかして昆虫食のイメージを払拭しようとするような意図を感じられた。
ちなみに昆虫食レベルなる表記もあり。どうやら「★☆☆」と優しい仕様らしいが、その星1つでもクセがあるのが昆虫食というもの。もちろん食前の予想は厳しいだろう一択……だったのだが、前述したように「未来コオロギスナック2」は一味違った。
・いざ実食
開封すると、虫っぽいスメルがふわり。この時点でウッと抵抗してしまうが、遠くない未来に昆虫食が主流になると言われている現代。ここで逃げるわけにはいかないし、逃げたとしても足音は忍び寄っているから手を動かすしかない。
てことで食べたのだが……
意外とウマい!!
虫の気配が漂わないと言ったらウソになるが、明らかにパンチが軽い。これまでの昆虫食であれば口の中から虫が「コンチャース!」と挨拶してきた。しかし「未来コオロギスナック2」はチラリと後ろ姿が見えるくらい。昆虫食と言われずに食べたら普通のお菓子と間違えてもおかしくない!
・編集部メンバーに食べてもらった
ただ、私1人だけの判断で「これはイケる」とするのはよくないだろう。そこで……!
当編集部メンバーに中身を明かさず食べてもらうことにした。はたして本当にウマいとの判断でいいのか。いきなり食べてと言われたことで不穏な空気を感じとったメンバーもいたものの、以下がそれぞれの感想だ。
あひるねこ「味はマズいことなく普通かなぁ。なんか さやえんどう っぽい」
Yoshio「美味しい。昔食べたことがあるような……。えっと、なんだっけなぁ……カブトムシ?」
P.K.サンジュン「甲殻類の味がするけど悪くはない。もう少し塩分あった方がよかったかも。買おうとは思わないけど、あったら食べる感じかなぁ〜」
亀沢郁奈「醤油味がする。ポンせんべいみたいな感じで美味しい!」
佐藤英典「ん、美味しいね。焼いた餅みたいで味付けは醤油かな?」
和才雄一郎「塩っぽい味がするけど、そんなことよりこれってもしかして……」
──と、大の虫嫌いである和才は危機を瞬時に感じとったのか昆虫食だと気づいたが、他のメンバーはほとんどスルー。これはホントにイケるかも……!!
最後は過去にゲンゴロウやタガメなど数々の昆虫食を食べてきた虫キング・中澤星児に試してもらった。
匂いから即座に昆虫食と気づいたあたり、さすが経験者。そしていやだなぁ〜といいながらもヒョイッと食べるあたり、百戦錬磨の貫禄がある。んで、キングの評価はどうだったかというと……
中澤星児「虫っぽさはありますね。虫だとしたらウジャウジャしてる系……そうだなぁ、バッタかコオロギあたりの味かなぁ。でも……」
「虫の味って鼻に引っかかるところがあるんですが、これは かっぱえびせん みたいで味的には全然イケるし、無印良品のコオロギせんべいに似ていて食べやすい。たくさん食べるのはキツいけど、ツマミとしてはいいかと」
──とのことでかなりの高評価。やはり私がイケると感じたのは、決して気のせいじゃなかった。誰も「近未来ラーメン味」と気づかなかったことはさておき、どうやら時代が昆虫食に追いついたようだ。
・食べやすい昆虫食が開発される日は近い?
それにしても、なぜここまでイケたのか。推測するに、昆虫食の影を薄くさせたのは粉末にしていることだろう。販売元の株式会社MNHのHPを覗いてみたら、初代「未来コオロギスナック」はありのままの姿。目で苦手意識が生まれないのは大きいような気がする。
また、原材料にも粉末醤油やチキンエキスなど、さまざまな工夫が施されていたのも見逃せない。それでいて、原材料の表示で食用コオロギ粉末は3番目。つまり決して少ない量ではない(重量の割合の高い順に表記されているため)から努力の結晶とも言えるだろう。
なんだか希望の光が見えた「未来コオロギスナック2」。今後さらに食べやすい昆虫食が開発される日は近いかもしれない。コオロギは高タンパクで低カロリー、さらには環境負荷も少ないとメリットが多いし期待したい。