食べ比べる前からサイゼリヤの1人勝ちだとは思っていた。なにしろ、サイゼリヤはイタリアンレストラン。パスタはサイゼの土俵である。
だが、実際に動いてみると、イメージと現実は食い違うことの方が多いのも世の常だ。そこで念のため、サイゼリヤ、ガスト、デニーズのミートスパゲティーを食べてみたところ、やはり想像とは全然違う結果に。コスパ1位は確かにサイゼリヤだが、激ウマなのは別の店だったのである。
・圧倒的なサイゼリヤ
まずテイクアウト価格から言うと、ガストの「濃厚ミートソーススパゲティー」が税込863円、デニーズの「ALL Beefミートスパゲティー」が税込740円、そしてサイゼリヤ「ミートソースボロニア風」が税込390円。
改めて並べてみるとサイゼリヤの異常な安さが目立つが、量的に特に少ないわけでもないのが衝撃だ。こんなもん、よほどマズくない限りサイゼが優勝だろ。なにしろ、サイゼリヤのミートパスタはガスト1杯食べる値段で2杯食べられてお釣りが来るのである。
・コスパキング
言わば、この時点でガストとデニーズは周回遅れ。ダービースタリオンのサイレンススズカくらい逃げている。しかも、サイゼリヤのミートソースボロニア風は普通にウマイ。酸味が利いたソースとチーズが肉の旨みとマッチしているのだ。この価格にしてこの味はありえない。
例えるなら、サイレンススズカが直線でまだ伸びるようなものである。というわけで、コスパ1位はサイゼリヤというのは動かなかった。まさに不動のコスパキングと言えるだろう。
・激ウマだったファミレス
一方で、食べ比べの際、味だけならサイゼリヤすらちぎり捨てているミートスパゲティーがあった。荒くゴロゴロしたひき肉、そしてワインの酸味を感じるソース。甘いだけじゃなくコク深さがあるのが技ありだ。
さらに特筆すべきは麺で、ふにゃっとした他の2つと比べちゃんと歯ごたえが残るアルデンテ。直線でグイグイ来てる。そのファミレスは……
デニーズ。
唯一、ソースとパスタが別の容器というのも、麺の食感へのこだわりが垣間見える。サイゼリヤの大逃げでコスパ的には遅れをとったものの、直線で見せた末脚は天晴。740円かけて悔いはない味だ。
・肉のガスト
最後にガストにも触れておくと、これも決して悪い味ではない。個人的には、ソースが甘ったるいのが気になったが、甘めのミートスパゲティーが好きな人はアリかも。
しかし、特徴的なのは具。ひき肉というか普通に肉が入っている。これが口の中でほわっと解ける柔らかさで、その味と食べごたえには840円を感じた。
・食べ比べて分かること
というわけで、コスパのサイゼは予想通りだったものの、味的にはデニーズが激ウマということが判明した。しかも、サイゼリヤが安すぎるため、価格の感覚がおかしくなりがちだが、ガストと並べてみると、デニーズのミートスパゲティーはファミレス価格としては別に高くない。
むしろ、安めの設定で、この味を出していると考えると、デニーズのメニューの中ではコスパが良いほうかと思う。デニーズに行った際はぜひ食べてみてくれ。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.