寿司ネタの王様・大トロ。トロけるようになめらかな脂ののった身はこの世で最もウマイ食材の1つと言っても過言ではないが、なんと、コオロギにも「コオロギ界の大トロ」と呼ばれるコオロギがいるという。名前は「広島こおろぎ」。
私(中澤)がこのコオロギを知ったのは、上野アメ横の昆虫食自販機だ。販売されている缶の説明文にそう書かれていたのである。いわく「絶品美味」なのだとか。しかし、昆虫食自販機の「ウマイ」的な説明文ってどこまで信用できるんだろうか? 気になったので買ってみた。虫が苦手な人はこの先閲覧注意。
・説明文
1つだけ「新商品!!」というポップが貼られているこのコオロギ缶。説明文には以下のことが書かれていた。
「アーモンドをたっぷり食べて育った脂ノリノリの大トロコオロギ
じっくりローストした香ばしく甘い広島県産コオロギは絶品美味」
コオロギに脂がノッて大丈夫なのだろうか? いや、これ以上想像を働かせるのはやめた方が良いだろう。また、広島県産をやたらと推してきているが、コオロギにも産地ブランドがあるとは知らなかった。広島のコオロギはウマイのか。
さて置き、缶を購入して皿に出してみると見た目は普通のコオロギと変わらない。
・味について
とは言え、以前同じ自販機で購入した普通のコオロギ缶(1100円)と比べると、量が圧倒的に少ないことが分かる。逆に言うと、そこにブランドものオーラがにじみ出ているわけだが。量より質勝負という感じである。
大トロに例えられるくらいだ。ひょっとしたら食べてみると、全然普通のコオロギと違う味なのかもしれない。それではさっそく食べてみよう。サクゥッ!
ふむふむ。
なるほど。
結論から言うならば……
普通にコオロギ。
確かに、アーモンドっぽい味は感じられ普通よりは豊潤である。だがコオロギだ。脂が乗っているというのも事実で、ノーブランドのコオロギのようなパサつきはない。だがコオロギだ。香ばしい風味はお菓子のようでもある。だが……間違いなくコオロギだ。
甘みというのは私の舌ではよく分からなかったが、要は豆まきの時の豆の味を想像していただけると近いかもしれない。ちょっと殻感のある炒り豆みたいなものである。
・コスパ
個人的には、これくらいの差ならどっさり入っている普通のコオロギ缶の方がコスパが良いような気もした。いや、まあ、どっさり入ってたところで別に嬉しくはないんだけどね。
まとめると、コオロギ界の大トロ「広島こおろぎ」は普通にコオロギの味だった。現場からは以上です。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.