『ウツボ』を料理してみたら … 少し「ゾッ」とした

動物や魚をさばくとき、少なからず「怖い」「気持ち悪い」という感情を抱く人もいるだろう。かく言う私にもそういった気持ちはあるのだが、 “自分の手を汚さずに他人が調理した肉を食べる” というのも、それはそれで情けない気がする。

そんな思いから積極的に料理することを心がけた結果、今じゃ鳥1羽くらいなら余裕で解体できるようになった。いつか突然サバイバル生活を強いられる可能性は誰にでもあるワケで、なるべく色々な食材を扱えるに越したことはないはずだ。

しかし沖縄の市場で『ウツボ』を発見した時は、さすがの私も「気持ち悪っ!」と声が出てしまった。ここに謹んで当時の様子をご報告しておきたいと思う。

・唐揚げ、煮付けに

市場で大量陳列された様子から察するに、沖縄においてウツボは別に珍しい食材じゃないようだ。お店の人から「プリプリでおいしいよ!」と声をかけられ、私は思い切って切り身を1パック(500円)購入してみることに。

持ち帰って水洗いし、改めてウツボの身をよ〜く見てみると……

ゾゾゾッ! やっぱり気持ち悪い!!!

ウツボの皮はグレーと黒の水玉模様をしていて、実は結構オシャレだ。これを「グロテスク」と感じてしまうのは単純に、こういう見た目の食材が珍しいためだろう。幸いにもウツボは半身の状態まで加工されていたため、裏返してなるべく皮を見ないよう調理を進める。

また私はこの時、うっかりGoogleで「ウツボ 画像」と検索してしまっていた。生きたウツボの姿は想像以上のド迫力である。ネット検索は調理後に行うことをオススメしたい

市場の人いわくウツボは皮が美味であるようだ。ぶ厚くてスゴイ弾力。なかなかカットしづらいな〜。

・ウツボフライ

切り終えたら水分をよく拭きとり、塩コショウで下味をつける。

片栗粉をまぶすと……おっ、模様が隠れてグロテスクさが消えたぞ!

すかさず熱した油にイン!

すると……あろうことかウツボの皮は、生きているかのようにウゴウゴモゾモゾと震え始めた。どうやら熱で膨張しているらしいのだが……これまたグロテスクこのうえない。

しまいには水玉模様が別の生物に見えはじめ、慌てて皮部を下側に向けた。表面がキツネ色になったらしっかり油を切って……

カンタンお手軽『ウツボの唐揚げ』が完成だ!

・超優秀食材

ウツボは「海のギャング」の別名を持つなど海水で生きる魚だが、肉の雰囲気はナマズやライギョといった淡水魚に似ている。

味もナマズっぽくて非常においしい。……いや「非常においしい」どころか、これは「魚類の中でも相当ウマい部類」と言っていいだろう。臭みがあるといえば多少あるが、逆に「好きな人にはたまらない」といった程よい臭みだ。

このウマさがあまり知られていないとは……もったいなさすぎるな。

そして気になる『皮』は、さっきまで切りづらかったのが嘘のよう! フォークでホロホロとちぎれた。

まさに『コラーゲンの塊』である。

おそらく『豚の角煮』と『よくある魚の皮』の中間を想像していただければ、この感じに近いのではないだろうか。一口大にカットして揚げればお酒のつまみや、お子さんのおやつとしても活躍しそう。

ちなみに『ウツボ 画像』でネット検索していただくと、実はかなり大型の魚であることが分かるだろう。その見た目とイメージから敬遠されがちなウツボだが、非常に美味なうえ、未来の食糧危機を救うポテンシャルも秘めた超優秀食材なのである。沖縄のほか四国や九州など一部の地域では食用として流通しているらしいから、見つけたら絶対試してみておくれ

Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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