ニンジン、ピーマン、グリーンピースにブロッコリー……お子さんの野菜嫌いに困っている方は多いのではないだろうか。
ご家庭でも、成長期の我が子がバランス良く栄養をとれるよう、小さく刻んだり味付けに工夫したりと、いろいろ手を尽くしていることと思う。
それでも子どもが野菜を残すという皆さんに、だまされたと思って試して欲しい方法がある。野菜にカッコいい名前をつけるのだ。
米国コーネル大学が小学生を対象に行った2つの実験によると、野菜に子どもの興味を引く名前をつけて給食の献立表に載せたところ、子どもたちが通常の2倍量の野菜を食べたという。実験内容と結果は次の通りだ。
【実験1】
8歳から11歳の小学生147人に「新しい献立の試食」と説明して、同量のニンジンが入った料理を3日間給食に出し、児童が食べたニンジンの量を調べた。
3日のうち、1日は特にニンジンに言及せず、残り2日はそれぞれニンジンを「本日の具材」「透視ニンジン」と呼んだ。透視(X-ray vision)といえば、特撮映画やマンガ、子ども番組の中でヒーローの持つ特殊能力のひとつ。スーパーマンの「透視モード」などがその代表だ。
■結果
3日間で子どもたちが食べたニンジンの量:
・ニンジンについて触れない……35%
・「本日の具材 ニンジン」……32%
・「透視ニンジン」……66%
このように、「透視ニンジン」と呼んだだけで、ニンジンの消費量が倍増した。
【実験2】
2つの隣接する小学校で、まったく同じ献立の給食を出した。1校では従来通りの献立表を作り、もう1校では野菜に変わった名前を付けて献立表を作った。
■結果
各校児童の野菜摂取率:
・「ブロッコリー」「そら豆」など普通の呼び方で献立表に載せた学校……18%
・「強力パンチのブロッコリー」「おばかでまぬけなお豆ちゃん」など、変わった野菜名の献立表を作った学校……36%
と、こちらも呼び方を変えるだけで野菜の摂取量が倍になるという結果が出た。
実験を行ったブライアン・ワンシンク教授は、「料理の内容を変えたり食べるよう強制しなくても、呼び方の違いで子どもは野菜をより多く食べてくれます」と述べ、家庭でもバットマンやスパイダーマンなど、子どもに人気のあるヒーローを連想させる名前を付けることを勧めている。
野菜に強くてカッコいいイメージ、楽しいイメージを持ってもらえば、子どもが進んで嫌いな野菜を口に運んでくれることだろう。
この方法、野菜だけでなくいろいろな食べ物に応用できそうだ。日本ならば人気マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』にちなんで「ゴムゴムの実こんにゃく」はどうだろう。おしゃれに興味の出る年頃の女子には「モデル美脚の野菜スティック」なども良いかも知れない。
参照元:DailyMail(英文)
photo:RocketNews24.
モデル=Rine
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