日本にある多くの中華料理店が、日本人が好むように味付けを変化させている。実際に中国で中華料理を食べたことがある人ならばわかっていると思うが、同じ中華料理でも日本と中国では味付けがかなり違う。
確かに、本場中国の味をそのまま日本で再現したとしても、それがウケるとは限らない。なので日本の中華料理店が日本人向けにアレンジして作ることは、至極当然のことともいえる。だが、中華料理の大衆食堂『一六八』の刀削麺は違った。
『一六八』は、ほぼ本場中国の味のまま刀削麺を作って客に提供しており、これがまた激辛なうえにウマイのだ。特にオススメなのは『麻辣刀削麺』と『酸辣刀削麺』のふたつ。マイルドな辛さが好きな人は『担担刀削麺』が良い。
ほぼ本場中国と同じ味付けで作られている『麻辣刀削麺』は、見た目が恐ろしいほど深紅。見ただけでも辛いのはわかるが、汗が噴き出すほど辛いのでハンカチやティッシュ、そして飲み物を用意しておきたい。だが、ひとつ勘違いしないでほしいのは、この料理は「激辛をウリにした料理ではない」ということ。
辛いのは事実だが、あくまでウマミを引き出すために「辛くしている」だけであり、麺のウマミとスープのキリッとした爽やかさを楽しむものなのだ。よくある無駄に辛くしている激辛ラーメンや激辛カレー等と一緒にしないほうがいいだろう。美味しさを追求した結果、必然的に辛くなってしまったのである。
後味は非常にスッキリとしているが「ガツン!」とくる辛さはかなりのもの。食べる際はそれなりの覚悟をしておこう。スープは鋭いスパイスの味が幅を利かせており、決してマイルドではない。
ただし、辛いものが大好きという人からすれば「もっと辛くても大丈夫だよ」といえるレベルである。辛い料理が好きな人にオススメなのは確かだし、その辛さに魅力があるのも確かだが「麺の美味しさを堪能したい」という人にこそ食べてほしいといいたい。
Correspondent: Kuzo
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