2012年9月、赤城乳業は国民的人気を誇るアイス「ガリガリ君」に、驚くべきバリエーションを投入し、世間をアッと言わせた。それはコーンポタージュ味である。それから約一カ月を経て、また新たな商品を登場させていたのを、ご存知だろうか? それは「プリンプリン」味である。
そう、その名の通りプリンだ。ふわふわプルプルの柔らかい口当たりのプリンである。とろけるような甘さのプリンを、「ガリガリ君」で再現したのである。プリン、ガリガリ、プリン、ガリガリ。このふたつがひとつになる可能性は、はてしなくゼロに近い。それなのに、なぜ赤城乳業は挑戦したのか……。実際に食べてみたところ、プリンとガリガリの間で揺れる、開発者の苦悩の味がした(涙)。
プリン味の発売を知らない人も多いはず。当編集部のメンバーに尋ねたところ、誰も発売されたことを知らなかった。実は2012年10月16日より全国で販売開始になっていたのだが、前回(コーンポタージュ味)のインパクトが強すぎたためか、話題になっていないのが現状だ。
・「ガリガリ」を維持したまま、プリンプリンは困難
実際に食べてみたところ、表面は通常のガリガリ君と同じようにかき氷になっている。これを「プリンかき氷」と称しているのだが、食感が原因だろうか。かき氷からプリンを想起することはできない。
・カラメルソースが辛うじてプリン感を演出
そして食べ進めると、カラメルソースが出てくる。カラメルソースのおかげで、辛くもプリンな感じは味わえるのだが、そこまでだ。ガリガリ君の挑戦したプリン感はそこで完全にストップしてしまう。
・結局どっち着かずに
残念ながら、その先にプリンの世界は一切広がっていない。アイスはほのかにバニラテイストがするだけ。非常に悔しいのだが、ガリガリ君にもプリンにもなりきれなかった、ただのラクトアイスがそこにある。これは想像なのだが、ガリガリ君ブランドのガリガリ食感と、プリンのふわとろ感を両立させるために、開発者は相当苦悩したと思われる。もしかしたら、社内で殴りあいのケンカが起きていたかもしれない。
※以下は想像の物語です
上司「これがガリガリ君だとッ! ガリガリ君をなんだと思ってるッ!! ガリガリはどうした、もっとガリガリしろッ!」
部下「待ってください! 国民の描くプリンのイメージは非常に強固です。これ以上ガリガリしては、プリンのプリンプリン感が損なわれますッ! どうかご理解をッ!!」
上司「……。わかった、君がそこまで言うのなら、今回はややプリンプリンなガリガリということで行こう。ただし、忘れるな。ガリガリ君のガリガリは、君が思う以上にガリガリであることを。国民のプリンプリンに負けなくらい、ガリガリであることをな」
部下「部、部長……(涙)」
以上のようなやり取りがあったか不明だが、製品化されるまでに困難があったと思われる。いずれにしてもなかなか先鋭的な試みのガリガリ君リッチプリンプリン。期間限定なのでぜひとも味わって頂きたい。
レポート:フードクイーン・佐藤
Photo:Rocketnews24
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オリジナル記事: 新発売「ガリガリ君リッチプリンプリン」を食べてみた! 赤城乳業の「苦悩」がうかがえる味がした
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