はたして動物は罪の意識を感じているのか? あんなに申し訳なさそうな顔をするワンコたちって実際どうなの!?

はたして動物は罪の意識を感じているのか? あんなに申し訳なさそうな顔をするワンコたちって実際どうなの!?

飼った経験のある人なら、叱られた時に犬たちが見せるあの何とも言えない表情がきっと思い浮かぶはず。ウルウルと上目使いでこちらを伺うような仕草がなんとも可愛らしいのです。そしてふと思うのが「こやつら、ホントに分かっとるのかしら?」という疑問。実際はどうなのでしょう?

「うちの子ってなーんて賢いの!」という人も「うちの、バカなんだよねー」っていう人も、だからこそ愛しくてたまらないワンコたちの心の中をほんの少し覗いてみましょう。

■動物に罪の意識はある?
「動物たちの罪の意識」については、実はまだあまり分かっていません。そもそも「罪」や「善悪」の概念自体が人間の基準ですから難しい問題です。それでも、動物たちがある種の行動をためらう様子が見られることは、彼らの罪の意識を示していると考えられていて、さかんに研究されているようです。

■犬と飼い主を対象にした実験
犬と飼い主のペアが実験室に入り、しばらくして飼い主には部屋を離れて数分後に戻ってもらいます。このときの犬の様子が基準とされます。次に室内の見えるところに食べ物を置き、犬には食べることを禁じつつ、目の前で飼い主がそれを食べます。これを犬にとってのルールとして示し、以下のテストを行いました。

■テスト1
最初のテストでは、テーブルに食べ物を残したまま飼い主が部屋を出ます。それを食べるかどうかは犬の判断次第。戻った飼い主に「自分がいない間に犬が食べ物を食べたかどうか」をまず聞いてみたところ、約75%が実際の犬の行動と合致。良い数字ですよね。でもこれは普段の犬の行動パターンを元にした判断だと研究者は見ています。

■テスト2
2番目のテストでは、食べ物を残して部屋を出るところまでは同じですが、すぐに係員によって取り上げられ、犬は食べることができません。そして実際がどうだったかに関わらず、研究者側でランダムに犬が食べてしまったか否かを飼い主に伝えます。飼い主たちはその情報をもとに犬を叱ったり褒めたりするわけです。

叱られなかった犬には、テスト1で食べた経験があるか否かに関わらず目立った変化はありませんでしたが、叱られてしまった犬たちは全て罪の意識があるような反応をしたのだそう。これでは単に叱られたことに対する反応とも取れ、罪の意識の有無までは分かりませんよね。

■再テスト
そこでもう一度、2つ目のテストを繰り返したところ、テスト1で食べてしまった犬のグループが、食べなかった犬のグループより飼い主に対して申し分けなさそうな様子を見せるという変化があったといいます。ということは、実際は全ての犬が食べていないのに、最初食べたかどうかの経験がその後の行動に変化をもたらしたことになります。

■結果は……分からずじまい!?
これは罪の意識があるってことだわ! と思いたいところですが、実際はその可能性を示しているに過ぎません。「食べ物+飼い主の帰り」が、叱られることに繋がるとインプットされただけという可能性も残り、始めからまったく食べていなかった「無実の」犬も叱られると同じような行動をとるため、正確な線引きができないのです。

この実験からは答えは出ませんが、皆さんはどう思いますか? 参考までに、遺伝子的に犬に近い野生動物、オオカミの例をご紹介したいと思います。彼らは遊ぶとき、弱っている仲間にとても優しく接することで知られています。強く噛みすぎてしまったような場合は「ただの遊びだよ!」とあえて強調するようにな行動が観察されているんだそうですよ!

寄稿:Pouch
参照元:io9.com(英文)


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