ゲイのペンギンカップルが卵を孵化させ親になる

ゲイのペンギンカップルが卵を孵化させ親になる

以前、ロケットニュース24では、カナダで愛し合っていたにも関わらず繁殖のため引き裂かれたペンギンの同性愛カップルについてお伝えした。

そのニュースは物議をかもしたが、デンマークの動物園では引き裂くどころかオス同士のカップルに卵を与えたそうだ。すると、そのカップルは卵を見事に孵化させ、ヒナが誕生。晴れて親になった2羽は多くの祝福を受け、話題となっている。

オス同士のペンギンのカップルが孵化を成功させたのは、オーデンセ動物園だ。動物園では、以前から、園内のキングペンギンの中に同性愛カップルがいることを把握していた。

2羽はどうしても親になりたかったようだ。繁殖期が巡ってくると、ほかのペンギンカップルの卵を盗もうとしたり、死んだニシンを卵の代わりに温めるなどの行動を繰り返していたという。

そんな折、2羽に転機が訪れた。あるメスのキングペンギンが産卵したものの、すぐに別のオスペンギンのもとに走り再び産卵。最初に産んだ卵を放棄したのである。

放棄された卵は、通常、人工飼育をするか代理母に孵化させるかのどちらかだろう。だが、動物園は子どもが欲しくて欲しくてたまらない同性カップルに思い当たり、この2羽に卵を託してみることにしたという。

死んだニシンを卵に見立てて育てようとまでした2羽だったが、動物園側は念のため彼らにまず人工卵を与え、その育児能力をテストした。キングペンギンは通常、オスとメスが交代で卵を温める。動物園はオス同士である2羽がちゃんとローテーションで卵の世話ができるかどうか確認したかったのだ。

テストの結果、2羽はほかのカップル同様に交代で卵を温めた。動物学者のニーナ・クリステンセン氏は「2羽は生まれながらの親だったのです」と語った。

こうして2羽はその育児能力を認められ、正式に卵の親となったのである。そして1カ月後、卵からは可愛いヒナが誕生した。

このニュースには

「おめでとう!」
「感動した」
「本当に素敵なお話」
「愛だなぁ」
「すごい」
「ニシンを温めるなんて切なすぎる……ヒナが生まれて良かったね!」

などのコメントが寄せられている。

ヒナの世話の合間に見せる2羽の睦まじさは、見ていてとても微笑ましい。

なお、飼育下のキングペンギンとしては同性愛カップルの孵化成功は世界初の例だという。だが、過去にドイツではフンボルトペンギンの同性カップルが卵を孵化させたケース、また、中国でもオスの同性カップルがヒナを養子に迎えて育てているという例も確認されている。

参照元:odensezoo.dk(デンマーク語)、BUZZ FEED(英語)


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トランスジェンダーの抱える問題 / 性転換をへて超えなければいけない壁

「トランスジェンダー」という言葉をご存知だろうか。これは生まれもった「性」とは、異なる性別を自認している個人やグループをさす一般用語である。つまりは、男性として生まれながら、女性の心を持っていたり、また逆に女性として生まれて男性の心を持つ人のことをいう。

とある海外のカップルについてご紹介したい。彼らは出会った当初、レズビアンであった。ところが一方の女性がトランスジェンダーで、男女両方の感情の狭間で揺れ、性転換を経て超えなければならない壁にぶち当たった。ふたりの恋愛はとても困難な道のりを歩んでいるようだ。
 
セディは自らのことを、「失敗したレズビアン」と説明する。彼女はこれまでに現在のパートナーを含め、3人の女性と関係を結んできた。しかしいずれの恋愛も、あまりうまく行ったとはいえない。現在のパートナー、マルコとはすでに2年半にわたって生活をともにしているのだが、愛情だけでは容易に乗り越えられない壁に直面していた。

セディがマルコに出会った当初、マルコは「エリカ」という名を名乗る女性だった。当初ふたりはレズビアンとしての関係を育んでいたのだが、いつしかセディは男性と交際しているような感覚を味わうようになり、それが当たり前のことのように思われた。

正確にいうなら、当時女性だったはずのマルコは、女性でも男性でもなく「中間的性別」の持ち主のようになり、ふたりの関係も性別のない中間的なものになっていった。

幼少の頃から自らの性別を好ましく思っていなかったマルコは、セディと出会うことにより、一層男性的な側面を強く持つようになったのだ。そしてついに女性から男性へと、性転換することを決意する。まずは髪を切り、次に胸を取り、2013年5月には本格的な手術を受ける予定まで立っている。

ところが思わぬ形で問題が発生した。「エリカ」と名乗った女性は、すでにマルコという男性へと変化し始めている。いわば「エリカ」は死に、マルコが生まれた状態。「エリカ」の死はふたりにとって、思いのほか大きな喪失感を与えてしまったのだ。テストステロン(性ホルモン)を投与するたびに、マルコの体は肉付きがよくなり、声も低くなっていく。マルコがより男らしくなればなるほど、「エリカ」の死の色もまた深くなった。

当事者であるマルコは、幼少の頃から男性になることを夢見ていた。女性性を失いつつあるとはいえ、夢が叶おうとしていることで、マルコの心持ちは日増しに落ち着いていく。しかしセディはといえば、パートナーを男と認め、運命的な出会いをした女性(エリカ)は、永遠に失われたと割り切ることしかできなかった。セディはマルコと暮らしをともにするうちに、何か「本物」ではない感覚にさいなまれることとなる。

とはいえ、時間が解決してくれる道を選ぶよりほかない。今はふたりで、子供を持つ日のことを夢見ているという。もしも子供が大きくなったときに、セディはマルコのことについて包み隠さずに話す用意があるそうだ。
 
「私たちは「異性関係」でありたいと思っています。でもそれは本当のことじゃない。私たちはそうじゃない。そうじゃないのよ」
 
彼らの前には、この先も克服して行かなければならない壁がいくつもあるだろう。そのたびに、セディもマルコも性別の間で揺れながら、問題を解決して行かなければならない。

参照元:MailOnline(英語)


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「1年間同性愛者として生きる」という大胆な行動をとった異性愛者の男性が話題に

「1年間同性愛者として生きる」という大胆な行動をとった異性愛者の男性が話題に

異性愛者の人にとっては、同性愛者として日々を生きることがどのようなものか、想像力を膨らませて考えてみても、なかなか実感をもって理解しにくいものだろう。

アメリカ人男性のTimothy Kurekさん(26歳)は同性愛者として生きることがどのようなものかを理解するために思い切った行動に出た。なんと1年間「同性愛者として生きる」ことにしたのである。彼のこの行動は彼の生活と周囲の人々に大きな変化を与えることになった。

実はKurekさんはアメリカでも特に保守的なクリスチャンの多い地域で、小さい頃からクリスチャンとしての教育を受けて育ってきた。通っていた教会では友人が同性愛者だとしたら 「あなたは神の嫌悪の対象だ。天国に行くためには悔い改めなければならない」と言うように教えられてきた彼。その教えを信じ、疑うことはなかったという。

そんな彼の信念を揺るがす出来事が起きたのは4年前のことだった。知り合いの女性が家族に同性愛者であることをカミングアウトしたところ、家族にその事実を受け入れてもらえず拒絶されたという話を聞いたのだ。その女性が悲嘆にくれて泣く姿を見て、心が揺さぶられたという。

この出来事がきっかけで「ゲイというラベルを貼られることが人生をどのように変えるのか、可能な限りの現実感を持って理解したいと思った」そうだ。1年間ゲイとして生きることを決意し、友人や家族を含めあらゆる人々に「カミングアウト」した。彼が計画的にこうした行動をとっていることを知っていたのは、彼のおばさんと一人の親友、そして彼氏として「採用」されたゲイの友人だけだった。

内側は異性愛者のクリスチャンとしてのアイデンティティを保ちながら、ゲイの人向けのカフェで仕事を得たり、ゲイバーに呑みに行ったり、ゲイのソフトボールリングに参加したり、とゲイのコミュニティに入っていたKurekさん。

しかし、厳しい現実にも直面した。カミングアウト以降、彼の友人の95パーセントが彼に話しかけなくなったのだ。さらに、カミングアウトに最も衝撃を受けたのは彼の母親だったそうだ。

Kurekさんによると「ある日、母さんの日記をちらっと覗いてしまったんだ。そしたら、母さんは “同性愛の息子を持つぐらいなら、医者に末期がんを宣告された方がましだ” と書いていたんだ」と話す。それほどのショックを受けていた彼の母親ではあったが、最終的には彼のセクシュアリティを受け入れ「非常に保守的なクリスチャンからゲイコミュニティの理解者へと変化した」とのことだ。

「僕が経験したことは同性愛者たちの一般的な経験と比べたら、全くたいしたことがないよ。ゲイであることを隠しながら生きることがどれだけつらいか、ほんの少しつかめただけにすぎない」と彼は謙虚に語る。

かつて同性愛者を嫌悪していた彼が、心の中で芽生えた疑問の答えを得るべく、友人を失うというリスクを冒してまでとった大胆な行動は世界中で反響を呼んでいる。

なお、彼は今回の経験を本としてまとめ、出版によって得た利益の一部をホームレスのゲイの若者たちを受け入れる施設に寄付する予定だそうだ。

(文=佐藤 ゆき
参照元:The Huffington Post(英文)


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