【みちのくグルメ】すべてが大きいご当地ベーカリーで、手からはみ出すジャンボシュークリームに挑戦 / 青森県「道の駅つるた」

古今東西、デカ盛りを愛する文化は全国共通だ。ここ青森県にも、メロンパンやらあんパンやら焼きそばパンやら、売っているモノがとにかくデカい名物ベーカリーがある。

パンも捨てがたいが、巨大化してうれしい食べ物といえばやはりお菓子だろう。店内では洋菓子の代表格、シュークリームまでメガサイズで販売。

手に持つとずっしり重く、テーブルに置いては紙パック飲料ほどの高さ。中にはクリームがこれでもかと詰まり、ボディブローのように身体の自由を奪っていく……そんなジャンボな商品をご紹介したい。

・「道の駅つるた 鶴の里あるじゃ」

青森県北津軽郡「道の駅つるた 鶴の里あるじゃ」。農産物直売所やレストランを備えた複合施設の一角に「あるあん」というベーカリーカフェがある。町の大豆米加工施設なのだそうだ。

なんの変哲もない、よくあるローカルなパン屋さんに見えるのだが……掲げられた「名物ビックリパンシリーズ」という文字。

このお店の商品というのが、1人前の焼きそばをそのまま挟んだ「びっくり焼きそばパン」や、ハンバーグ2枚入りの「びっくりバーガー」、小型のバケツに詰まった「バケツ豆腐」とどれもが規格外のサイズで、しかも価格は400〜500円程度とリーズナブル! 

商品は持ち帰ってもいいし、併設のイートインスペースで食べることもできる。後者の場合はコーヒーやカトラリーのサービスがある。

・「でっかいシュークリーム」(税込1200円)

見たところ、おそらく店内でもっとも高額な商品が「でっかいシュークリーム」だ。それでも1200円。

並べてみると200mlの紙パックに届くくらい背が高い。ちなみにシュークリームにまったく合わないと思われる「1日分の野菜」を選んだのは、少しでも罪悪感を軽くするためである。カロリーは100gあたり348kcalとあるが、総重量が記載されていなかった。深くは考えないでおこう。

いざ、袋から出してみる。

手のひらから軽くはみ出すサイズ。牛丼のどんぶりよりも遥かに大きい。人間の帽子くらい、あるいは小型の鍋くらい、というのが近いだろうか。

シューのあいだからは、きれいに絞られたクリームがのぞいている。こんな極太の絞り袋あるの?

切り分けると、中にはぎっしりとクリーム! クリーム! クリーム! 正確には生クリームとモアロクリーム。ケーキだってこんなには使わないだろうから、人生で出会う最大量の生クリームかもしれない。

それでは食べてみよう。フォークに山盛りクリームをすくっても、まだ「ちょっと味見」レベルだ。

生クリームは素朴な美味しさ。まったく奇をてらったところのない、シンプルでスタンダードなクリームといえる。昔からある町の洋菓子店の味のような、どこか懐かしい感じ。

普通のシュークリームを食べるときも、フタ部分を外してクリームを盛り、少しずつ食べていくのがテーブルマナーらしい。生地は少し塩気があり、そのままだと味気ないが、甘いクリームと合っている。

さて、その後も……

せっせと食べるが……

早々に結論をいってしまうが、1人では食べきれない! 複数人で食べるか、あるいは残った部分を持ち帰ろう。

はっきりいって皮の部分はなんてことない。全部集めてもパン1個分くらいだろうから、恐るるに足らず。が、クリームが胃にたまってくる。く、苦しい……。

今回はとても胃に入らないが、パンのシリーズも気になる。どれも通常サイズの3~5倍だそう。家族の少人数化で小分けの商品が好まれる今日、時代に逆行するようだが話題性は抜群。2007年の販売開始以来、道の駅の名物となっているそうだ。青森にお越しの際はぜひ!

・今回ご紹介した店舗の詳細データ

名称 道の駅つるた 鶴の里あるじゃ
住所 青森県北津軽郡鶴田町大字境字里見176-1
時間 10:00~18:00(大豆米加工施設)

参考リンク:メデタイ・ツルタ(青森県鶴田町観光ウェブマガジン)
Report :冨樫さや
Photo:RocketNews24.



【withコロナ時代の旅行】ビュッフェレストラン、ショー、大浴場…大規模リゾートホテルのいま / 『星野リゾート 青森屋』の取り組み

人が密になることを避けなければならない新しい生活様式。旅行控えが経営難に直結する中小の観光業はもちろんだが、大規模リゾートホテルや温泉旅館は、また別の苦境に立たされているといえる。

豪華なビュッフェや館内イベント、スパ、プール、大浴場など、これまでスケールメリットを活かして提供してきた主力のエンターテインメントが、感染源となる可能性があるからだ。

そもそもたくさんの人が集まることで成り立っていた大規模リゾートのサービスは、現在どのようになっているのだろうか。星野リゾートの取り組みを取材してきた。

・『星野リゾート 青森屋』

青森県三沢市、およそ22万坪の広大な敷地を有する温泉リゾート『青森屋』。「青森の文化を丸ごと体験できる温泉宿」を掲げ、館内は青森ゆかりのものでいっぱいだ。

例えば天井・壁一面に「金魚ねぶた」が飾られた通路。金魚飼育の伝統があった青森県では「ねぶた祭」に欠かせない装飾品だ。客室に本物の金魚鉢(金魚が泳いでいる!)を貸してくれる「貸し金魚」のサービスもあった。

「のれそれ食堂」「じゃわめぐ屋台」「ヨッテマレ酒場」などの「お国言葉」が、館内そこここで誇らしげに見られる。

「じゃわめぐ広場」は、大浴場や売店、居酒屋コーナーに面した交差点のような場所で、各種イベントの会場でもある。新型コロナ対策で現在は異なるが、かつては毎晩屋台が立ち、津軽三味線など青森にちなんだショーが開催されていた。湯上がりに涼む人、居酒屋コーナーで飲み直す人、ほたて釣りコーナーで楽しむ人など、多くの宿泊客でにぎわっていたことだろう。

大浴場から出たところには「りんごジュースが出る蛇口」も。青森名産りんごジュースのフリーサービスだ。提供時間が終わると「本日は枯れました」と書かれていたのに思わず笑顔。

南部地方に伝わる郷土玩具に、八幡馬(やわたうま)というものがある。その名を冠した「八幡馬ラウンジ」(有料)は池のほとりに独立して建つ古民家で、かつ少人数の予約制なのでゆっくりくつろぐことができる。コーヒーやシードルなどのドリンクがフリーで、時間によってはお茶菓子もいただける。

広々とした館内無料ラウンジでもドリンクサービスがあり、最近ではパソコンを開いて1人で仕事をしている様子の人も増えたそうだ。総客室数236室、3棟の宿泊棟とともに、古民家や馬場、1周40分の散策路を擁(よう)する大きなホテルが『青森屋』だ。

・ビュッフェレストランの抱える課題

本題に入る。withコロナ時代、館内はどのように変わったのだろうか。

例えばビュッフェレストラン。何十種もの料理がずらっと並んだ大空間は、リゾートホテルの “華” だ。専門店がいくらでもある飽食の現代とはいえ、ステーキや天ぷら、お刺身など、かつてのごちそうの「特別感」は健在。好きな料理を好きなだけ選ぶわくわく感、非日常感は何物にも代えがたい。

『青森屋』でも「のれそれ食堂」という大規模なビュッフェレストランを有する。郷土料理がメインで、古民家風の内装で割烹着姿のかっちゃ(お母さん)が出迎えるというコンセプト。滞在中の大きな楽しみにしている人も多いだろう。

一方で、不特定多数が食器を共有することや、料理の取りこぼし、子どもが料理を取ることを許容するかどうかといった1人1人のちょっとした感覚のずれなど、コロナ時代でなくとも「ビュッフェという食事スタイルそのもの」に不安を感じる人は一定数いたはずだ。

・「新ノーマルビュッフェ」

星野リゾートでは、2カ月間にわたって休止してきたビュッフェスタイルの食事を再開。数々の改良を加え「新ノーマルビュッフェ」と名付けた。『青森屋』の「のれそれ食堂」も同様である。

まず、料理にはすべてアクリル製カバーがつけられた。手を差し入れて料理を取るような形になり、上からの埃や飛沫が直接かからないようになっている。

足下にはソーシャルディスタンスを示すマークがあり、整列する場所が決まっている。料理ごとの間隔も広くとり、さらに前後をずらして配置することで、客同士が背中合わせにならないよう工夫されている。本来、ビュッフェスタイルは料理を密集させて置くことで視覚効果を高めているというが、それよりも感染防止を優先している形だ。

テーブル、トング、イスなど人が触れるところにはナスクナノテクノロジー社の「メディカルナノコート」を塗布。コーティング表面に触れた細菌・ウイルスのタンパク質を破壊し、感染能力を無力化する技術で、羽田空港や関西空港でも採用されているという。

テーブルの間隔もゆったりしている。隣のテーブルの人とイスがぶつかるようなことがなく、会話の内容もほとんどわからない。

基本的に宿泊者はチェックイン時に全員検温している。レストランに入場できるのも検温済みの人だけだ。さらに、ビュッフェコーナーにいるあいだは全員マスクと手袋を着用する。マスクを持っていない人には配布するとのこと。

・実際に利用してみた感想は……

利用しやすさという点でいうならば、アクリルカバーがあると奥の方に手が届かず料理が取りにくいし、席を立つたびに手袋をつけたり外したりするのは面倒だ。手袋が蒸れて貼りつく感触も気持ちが悪い。しかし効果は絶大だと思う。なぜかというと……

ウイルスを運ぶという点では、おそらく手も手袋も大差ない。手袋だから無条件に衛生的ということはあり得ない。しかし、ガサガサする手袋のまま目をこすったり口を拭ったりはしないから、意図せず顔に触れる機会が格段に減る。

また、手袋をするといつもと感触が変わるので、自分がいかに「あちこち触っているか」に意識的になる。例えば重なった皿を取るとき。1番上の皿だけ取っているつもりで、指先が2枚目、3枚目に触れている。カレー1つ盛りつけるにも、スープジャーの蓋を開け、レードルを握り、皿を取り、蓋を閉め、福神漬けのトングを持ち……。こんなにあちこち触ってる! とびっくりする。

ウイルスが付着している「かもしれない」ものに触っている、という自覚が高まり、かなり注意深くなると思う。マスクもそうだが、物理的にウイルスをシャットアウトするというよりは、衛生意識の高まりが行動全体に波及し、感染の「確率を下げる」ことに効果があるのではないだろうか。

時節柄、全体的に館内がそれほど混雑していなく、また同じ生活習慣を共有している日本人客がほとんどということもあり、上手く機能しているように思われた。

・その他の取り組み

その他の館内の取り組みも見ていきたい。チェックインでは全員が非接触体温計で検温し、手指を消毒する。全客室には消毒液が用意されている。また、通路などのパブリックスペースにも、数メートルおきにあるのではないか、というくらい消毒液が設置されている。

エレベーターのボタンには「抗ウイルスコーティング済」の表示が。エレベーター内での会話は控えるよう掲示もされている。見知らぬ人と、近い距離で乗り合わせるので大事なことだと思う。

浴室やプールを共有することの感染リスクは明らかになっていないところだと思うが、星野リゾートでは大浴場の混雑の可視化にも取り組んでいる。IoTデバイスを駆使し(カメラではないのでご安心を)リアルタイムに混雑度を算出。自分のスマホから混雑度を確認できる。今後、その他のパブリックスペースにも展開していくとのこと。

・ステージショーの工夫

もともと『青森屋』では、青森4大祭りの踊りや囃子(はやし)を一堂に楽しめるディナーショーを開催していた。演奏時の飛沫感染や、入退場時の混雑を懸念して2カ月にわたり休止していたが、このたびショーも再開。食事をしながらではなく、ショー鑑賞のみのスタイルに変更している。

まず、鑑賞には時間指定の予約券が必要である。この予約券は「入場できる時間」を5分刻みで示しており、時間差を作ることによって出入口の混雑を回避している。退場時も同様で、指定されたグループごとに退場する。席の間隔もだいぶ広く、贅沢なくらいソーシャルディスタンスが保たれている。

祭り囃子には「合いの手」のような大きなかけ声が不可欠だが、演者はフェイスシールドを着用し、またステージから降りてくるようなこともない。客席を練り歩いたり、一緒に踊ったりすれば盛り上がるだろうが、そういった演出は一切排されている。観客も静かに鑑賞する。

それでもショーは素晴らしかった。津軽三味線から始まり、「五所川原立佞武多」「八戸三社大祭」「弘前ねぷた」「青森ねぶた」と青森の代表的な祭り囃子が次々と披露される。もとから祭り囃子というのは人間の心を震わせる原始的なリズムがあると思うが、その迫力に感動して夢中になってしまった。

・マイクロツーリズムの提唱

星野リゾートでは「マイクロツーリズム(=小さな旅行)」を提唱している。自宅からマイカーで行ける近距離圏内で、地域の魅力を再発見する旅。あくまでも「観光が感染拡大に貢献しないこと」が前提であり、旅目的の遠出や、都道府県をまたぐ長距離移動は今は得策ではないと明言する。

1室でも空室を埋めたい宿泊業としては、勇気ある提言であると思う。そもそも東北地方は経済規模が小さく、いかに大都市圏からのツアー客を呼び込めるかが鍵という側面もあった。しかし、高度経済成長期には地元の人の「保養」が温泉旅館やリゾートホテルの主流だったのだという。原点回帰といえるだろう。

Go Toキャンペーンが世論を二分している。後の時代になって初めて正解がわかるのだろうが、「最高水準のコロナ対策宣言」を掲げ「やれることはすべてやる」という『青森屋』の姿勢には頼もしいものがあった。星野リゾートは国内外に45施設を展開。まずは近隣の小さな旅からいかがだろうか。

・今回ご紹介した宿泊施設の詳細データ

名称 星野リゾート 青森屋
住所 青森県三沢市字古間木山56
時間 チェックイン15:00~ / チェックアウト~12:00
料金 1泊1万4500円~(2名1室利用時1名あたり、税込、夕朝食付)

Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.



【現場レポート】海岸に突如現れたワニのサンドアートがめちゃくちゃハイクオリティで謎を呼ぶ / 青森県

青森県西部に位置する鰺ヶ沢町。普段は静かな浜辺に巨大なワニが現れた。といっても本物ではない。海岸の砂で作ったサンドアートのワニだ。

特別なイベントがあったわけではなく、アーティストのゲリラパフォーマンスでもなく(たぶん)、突如として姿を現した砂のワニ。これが海でよくやる砂遊び程度の作品であれば遊泳客のたわむれということになろうが、本職(?)としか思えない完成度。

数人の若者が作業していたという目撃談があるが詳細は不明で、いったい誰が何のために……と地元で話題になっている。

・鰺ヶ沢海水浴場

現場の様子を詳しくお伝えしよう。舞台は青森県西津軽郡の鰺ヶ沢海水浴場。日本海に面し、目の前いっぱいに水平線が広がるのどかな海水浴場だ。海開きは7月18日とまだ先で、普段は閑静な砂浜といえる。

が、よく見ると遠浅の浜辺に、なにやら砂を掘り起こしたような一角が。

近づくと2匹の巨大なワニが円を描いているのが見える。体長は少なくとも5mはあろうか。

ここ鰺ヶ沢海水浴場に最初の1匹が登場したのは今月3〜4日のこと。あまりの完成度に地域の人を驚かせ、地元メディアによると町で雨よけのシートをかぶせて形が崩れないようにしていたとか。現在はシートは取り払われ、1匹目は少し乾燥して崩れているところも見える。

ところが9日、さらに大きなワニが出現! こちらはまだしっとりした “できたて” の感じが残り、なめらかな表面を見せている。身体の大きさの違いから、夫婦のようにも見える。同じ作者の作品かどうかは不明……だが、この統一感はきっと同一人物だろう。

中央にはコロンとした卵があり、2匹は卵を守っているのかも。地元では卵がかえる、つまり3匹目が加えられるのでは、と期待されているという。

どちらも、とても素人とは思えない完成度。指先や、背中のゴツゴツも丁寧に再現されている。粘土遊びでもよくわかるが、頭に形を思い描くことと、それを立体にすることには大きな差がある。作者は美大生? 工芸家? 原型師?

地域では歓迎ムードで、園児が見学に来たり、犬の散歩中に足を止める人も。現場は誰でも入れる公共の海水浴場で、複数メディアが報じたにもかかわらず、いたずらなどの被害もなく作品が残っている治安の良さにも驚き。

・これからどうなる?

目的は明らかになっていないが、作者のユーモアや遊び心が感じられるのは確か。SNSで話題になると見物客の渋滞など二次的な問題を引き起こすこともあるが、風雨で跡形もなく自然に帰る作品であることも秀逸。温かく見守る地元の雰囲気も微笑ましい。

折しも先週末は強い雨雲が東北地方にまで北上。取材は降雨前に行ったが、2匹のワニも前週までのような形を留めていない可能性が高い。修復される、あるいは新しく作品が追加されることは果たしてあるのか。

夏の訪れが遅く、まだ肌寒い日もある東北地方だが、浜辺ににぎやかな声が戻ってくる季節ももうすぐだ。厳しい社会情勢の最中、ひととき人々を笑顔にしたほっこりニュース。以上、現場からお届けしました。

参考リンク:青森 NEWS WEB読売新聞オンライン
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.



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