【中国】建築界の権威ザハ・ハディッドが手がけるビルのパクリ版が本物を上回るペースで建設中

【中国】建築界の権威ザハ・ハディッドが手がけるビルのパクリ版が本物を上回るペースで建設中

これまでロケットニュース24では中国で出回っているニセモノ製品を数々ご紹介してきた。誰がどう見てもパクリとしか思えない製品を、ためらうことなく堂々と、さらに時に神業のような瞬発力をもって開発する、それが中国だ。

そんなニセモノ大国、中国で今回新たな「ニセモノ」が話題を読んでいる。それはなんと高層ビル。建築界の権威ザハ・ハディッド氏がデザインし、北京で建設中のビルとウリ二つのビルが中国南部の重慶で建設されているのだ。しかも、ホンモノを上回るペースで! ニセモノに追い抜かされまいと、ハディッド氏側はホンモノを急いで完成させるべく焦っているという。

ザハ・ハディッド氏はロンドンを拠点に世界で大活躍している女性建築家。数々の前衛的な建築を世に送り出し、「建築界のノーベル賞」とも言われるプリツカー賞受賞者でもある。日本でも彼女の建築のファンは多い。そんな彼女が、現在手がけているプロジェクトの一つが北京の複合ビル施設、Wangjing Sohoだ。

そのビルはこれまでハディッド氏が手がけていた建築と同様に、非常に個性的なデザインだ。風に吹かれてなめらかにうねる帆のような形。そして表面には波のような模様が刻まれている。遠くから見るとまるで大地の上を泳いでいるかのように見えるデザインだ。

この独特のデザインとよく似ている建築物が登場したのは中国南部の重慶。帆のような形と波の模様が入っているこのビル。似ているどころじゃなく、はまさにウリ二つ。違うのはオリジナルがビル3つなのに対して、この海賊版ビルは2つということぐらいだ。

しかもこの海賊版ビル、相当なペースで建設が進んでいるらしい。北京で建設中のホンモノのビルは2014年が完成予定であるが、重慶の海賊版ビルは、現在のペースで進行すればホンモノが完成する前に出来上がってしまうのではないかという意見も。海賊版に先を越されることだけは阻止すべく、ハディッド氏側もペースアップを強いられているそうだ。

にしても、デザインを盗まれたハディッド氏は相当お怒りだろうと思われるが、自分のデザインが複製されることに関しては「将来こうした模倣建築が革新的な変化をとげていくとしたら、かなり面白いかもしれない」と余裕のコメントをしている。さすが、建築界の権威。建築の未来に関しては哲学的な独自の思想を持っているようだ。

iPhoneやiPadといった製品だけでなく、建築さえも海賊版が登場する中国。今後こうした有名な建築デザインの海賊版が中国各地にどんどん出現するのではないかという見方もある。しかし、大丈夫なのか著作権……。

(文=佐藤 ゆき
参照元:SPIEGEL ONLINEZaha Hadid Architects(英文)


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カテゴリー ニセモノ, パクリ, 中国, 建築, 海外, 知識

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