日々ダイエットに励んでいる女性のみなさんには、ちょっとした悲しいお知らせかもしれない。なんと、女性は男性よりも20パーセント多く運動しないと痩せないというのだ。最近の調査によってわかったことは以下の通り。
・女性は男性よりも20パーセント多く運動しないと同じ効果が得られない
・男性が減量する場合は運動だけで十分だが、女性の場合は食事にも気を配らないといけない
一体なぜこのようなことが起きるのだろう。原因は男女の体質差(筋肉量やホルモン)によるそうだ。専門誌『メタボリズム』誌で、以下のような調査結果が発表された。
米ミズーリ大学のジル・カナリ-教授らは、75人の肥満体の2型糖尿病患者に対して、以下のような実験を行った。まず被験者の心拍数・血圧を測り、その後個々人の能力に基づき65パーセント程度のパフォーマンスで16週間、有酸素運動をしてもらった。
その結果、男性の健康状態は改善し体重の減少も見られたが、女性にはほとんど効果が現れなかった。やはり運動だけではダメなのであろうか……。この結果について、イギリス西スコットランド大学の臨床運動心理学の講師であるクリス・イーストン博士は次のようにコメントしている。
「男性と女性のエクササイズの結果に違いが出る、大きな理由の一つは身体構成です。男性は女性よりも筋肉の量が多く、筋肉は脂肪よりも代謝率が高い。そして、これが一番重要なポイントなのですが、そのために男性は運動をしていない時でも女性より多くのカロリーを消費しているのです。男性が減量する時に運動だけをすれば良いのに対して、女性の場合は食生活にも気を配らなくてはならない理由はそこにあります」
……うーん、確かに性別による体質の差は仕方ないが、女性からしてみれば思わず「ズルい!」と言いたくなる理由だ。
博士は続けて「エクササイズにおいて、女性が男性と同等の効果を得るためには、男性が65パーセント程度のパフォーマンスで運動するのに対して、女性は85パーセントのパフォーマンスか、もしくは男性よりも長時間運動しなければなりません」とコメント。さらに、「男性は女性よりも大きな心臓と肺、多くのヘモグロビン(肺から全身に酸素を運搬する役割を持つ)を持っています。そのため、元々エクササイズに関する利点が自然に備わっているのです」と、付け加えた。
なるほど、細かいところが色々と違うのだな。これはもう仕方ないのかも。実験を行ったカナリ-教授は次のようにコメントしている。
「この研究から言えることは、『エクササイズの効果というのは、性別によって違う』ということです。2型糖尿病は高い死亡率があるため、特に女性にとっては危惧すべき病気です。『エクササイズをする』というと、みんな性別関係なく、同じ効果を得るだろうと勘違いします。しかし女性の場合、運動だけでは十分な効果を得られないということを、この実験は明らかにしました。この結果は、ヘルスケアプロバイダーと研究者が肥満女性のための運動方法を開発するのに役立つことでしょう」
女性にとっては何ともショックな話だが、このことがわかったおかげで糖尿病患者の(特に女性の)運動療法も、今後さらに開発されていくのであれば、有意義な調査結果であるというもの。ちなみにイギリスでの最新の調査によると、成人イギリス人の実に62.8パーセントが標準体重よりも太っているか肥満体であるとの結果が出ているそう。日頃から適度な運動と、健康的な食生活を心がけたいものだ。
(文 = uekky)
Illustration:Rocketnews24
参照元:Mail Online(英語)
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オリジナル記事: 【これはショック】女性は男性よりも多く運動しないと痩せない?
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