ある「とんでもない絵」が海外で大きな話題になっている。その話題沸騰中のとんでもない絵とは、現物に限りになく近い超リアルな絵!
これを描いたのは、イギリスのアーティストKelvin Okaforさん(27歳)。彼は写真と見間違うほどのスーパーリアルな絵を描き、現在多くのメディアで取り上げられている。
彼の絵の凄いところは、デジタル技術を一切使わず、鉛筆だけでその絵を描いていくところ。本当に時たま、炭の棒を使うこともあるらしいのだが、ほとんどの絵を鉛筆だけで描き上げていくというから、開いた口がふさがらない。
彼の絵はロンドンの「サイエンス・ミュージアム」で展示され、約150万円の値がついている絵もちらほら出てきている。そして気になるその超リアルな絵の描き方だが、彼は実際の人ではなく、写真を見て、人物画を描くことを好んでいるらしい。そのことについて、 Okaforさんは以下のようなことを話している。
「僕は絵を描き始める前に、数時間、場合によっては数日かけて、すべての角度から顔を分析します。そして通常目から描き始め、そこから顔の輪郭を作っていき、細かいところを仕上げていきます」
「セクションごとに描いていくようにしています。そして僕は右利きなので、左から右へと描いていきます。左の目が描き終わったら、鼻の穴、そして左側の頬(ほお)に、くちびる。いつもこの順番で描きます」
「1回の作業で4時間連続で描き、30分の休憩をとります。そして4時間から5時間かけて、また描き、また30分の休憩をとります。ここからあとは、自分のできる限りの範囲で描いていきます。時によっては、一日に10時間から15時間描きますね。そして一枚の肖像画を仕上げるのに、平均で80時間から100時間かかります」
Okaforさんの両親は、「自分の子どもたちにいい生活を送ってもらいたい」と願い、ナイジェリアからイギリスに移住してきた。しかし実際の生活はかなり貧しいものとなり、親戚の家を回るホームレス状態になったこともあるらしい。
そんな貧困生活を送るOkaforさんに、遊びに行くお金はもちろんなく、彼はずっと家で絵を描いていた。ひたすら大好きな絵を描き続けていた。その時のことを、Okaforさんはこう語っている。
「あれはまさに闘いの日々でした。だから僕は自分一人でできる絵にたくさんの時間を費やしたのです。外に出かけたり、お金を使ったりする余裕なんてものはありませんでした」
しかし子どもの幸せを願う両親の努力のおかげで、Okaforさんは有名大学に通うことができ、そして今その才能が世間に認められ始めた。そんな多くの苦労を乗り越えてきたOkaforさんの今の一番の喜びは、自分の成功が家族に誇りをもたらしていることだという。
その家族への想いを語った彼の言葉を、最後に紹介したいと思う。
「父が泣いているところを今まで見たことがありませんでした。でも僕と僕の作品がBBCニュースで紹介されているのを見て、父は泣いていたのです。そして母も。みんな感動してくれ、僕も泣きました。僕の成功が、家族に誇りをもたらしているのが嬉しいんです。これが僕にとっての最高の幸せです。そしてこれが、もっとがんばって絵を描きたい、もっとたくさん絵を描きたいと思わせてくれる原動力なんです」
(文=田代大一朗)
参照元:Daily Mail(英文), YouTube/emre can sarıhan, MiddlesexUniVideo, Kelvin Okafor
▼Okaforさんの作品はこちら:http://wp.me/p25BsW-1dJ0
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