長い梅雨が明け、いよいよ本格的に夏本番の日本列島。熱中症予防のためにも、この時期はこまめな水分補給が必要不可欠だ。しかし、ここで厄介なのがマスクの存在である。皆さんそうだと思うが、水を飲む度にわざわざマスクを外すのは非常に面倒。何かいい手はないものだろうか?
そこへ声を掛けてきたのが、“マスクのプロ” を自称する当編集部の中澤星児だった。プロは言う。「外出時にマスクをしたまま水を飲む方法」を知っていると。いや、物理的に不可能だろと思いつつ、ちょっと気になったので話を聞いてみることに。
・ある日の昼下がり
──いや~、毎日毎日暑いな。マスクをしていると余計に暑く感じる……。
──水を飲む時にいちいち外さないといけないのも面倒だ。
──もう、全部めんどくせぇ……。
「何だそんなことかい」
──え?
──その声は、まさか星児さん? でも一体どこに……。
「ここだよ」
いや……
何だおまえ。
・ガチ勢
そこにはスーツ姿にフルフェイスのマスクという、やや大友克洋みたいな世界観のヤバイ男が座っていた。声的におそらく中澤だと思うのだが、いかんせん顔がマスクでよく見えない。あの、星児さん……ですよね? ここで何やってんですか?
中澤「マスクじゃないよ」
──え?
中澤「これ、マスクに見えるけど正確にはフルフェイスのシュノーケル。水の中にも入れるんだ」
──はあ……。
中澤「さっき、水を飲むのにいちいちマスクを外すのが面倒って言ってたでしょ? だったら教えてあげるよ、マスクをしたまま水を飲む方法を。ちょっと手伝ってくれる?」
そう言うと中澤は近くの自販機で麦茶を購入。それを私(あひるねこ)に手渡した。ここから先、ちょっと話が分かりづらいというか、常人には理解しがたい部分があると思われるため代わりにご説明すると、要は中澤は……
シュノーケル上部の通気口に水を直接注げば、
脱がずに飲めると主張しているのだ。
・その発想はなかった
たしかにこのシュノーケルは、水中にいない時は通気口から空気が入って来るようにできている。ということは、そこから水を入れることも十分可能だろう。ただしその場合、熱中症云々の前に陸上で溺れる可能性もゼロではないのだが、「この夏、最先端のマスクスタイルでしょ!」とプロは自信をのぞかせる。
──じゃあ星児さん、いいですか? 入れますよ?
中澤「うん、お願い!」
中澤の合図で、私はシュノーケルの通気口に勢いよく麦茶を注ぐ。どうです? ちゃんと飲めてますか?
中澤「ゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボ!」
──え、何ですか? ていうか……うわ! スーツめっちゃ濡れてません!? ちょっと逆流してくるし!!
中澤「ゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボ!」
──あ、麦茶なくなるんで2本目注ぎますね!
中澤「ゴボゴボゴボゴボゴボ助けゴボゴボゴボゴボゴボゴボ!!」
──行っけェェェェェエエエエエ!!
中澤「ゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボ!!!!!」
──こうして中澤は、
新宿副都心の高層ビル街で危なく溺れかけるも……
マスクをしたまま2口ほど水を飲むことに成功したのだった。
その顔は、まるで雨上がりの青空のように晴れ晴れしい。
中澤「そう、何だってできるさ。僕ら人間にはね」
・結論
……中澤はこう言っているが、フルフェイスだと暑すぎて逆に熱中症リスクが高まるのと、都心のど真ん中でスーツびっちゃびちゃは人としてギリなので、基本的には真似をしないことを強くオススメする。水はマスクを外して普通に飲め──。これが今回得られた最大にして唯一の教訓だ。覚えておいて欲しい。
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.