2020年も残りあと3カ月となった10月1日。今夜は、2020年の中秋の名月です。皆さん白玉ピラミッドの用意はできていますか? あれって、団子の先端が霊界に通じる的な信仰から積み重ねるなんて話もあるらしいですね。
それはともかく、今月の月の話題は中秋の名月だけで終わりません。2020年10月は、2日午前6時過ぎと31日0時前に、2回も満月があるのです。1カ月に2回の満月。つまりブルームーンもあるということ。中秋の名月やブルームーンとは何なのか? 各地の天気などと合わせてお伝えしましょう。
・中秋の名月
国立天文台によると、中秋の名月とは「太陽太陰暦における秋分を含む月の15日の夕方に出る月」を指すのだそう。太陽太陰暦は月の満ち欠けを基準に、太陽の動きも考慮した暦法です。基本的には太陰暦同様に、新月を含む日を月の始まりとし、満月を経て次の新月の前日までを1カ月とカウントします。
前回の新月は9月17日。2020年の秋分は9月22日ですから、現在一般的なグレゴリオ暦における10月1日の月が中秋の名月になるという仕組み。ちなみに……今回はメインテーマとはしませんが、The Old Farmer’s Almanacによると真のハーベストムーンでもあります。
・31日はブルームーン
今月は月に関して、もう一つ興味深いポイントがあります。それは、ブルームーンもあるという点。ブルームーンとは何なのか……? この言葉が意味するものは複数あります。例えば、何らかの物理的な理由で本当に月が青く見える場合にも、普通にブルームーンと呼ばれます。
そういった場合を別にすると、19世紀にアメリカのメイン州の農家の年鑑に掲載されていたものが「ブルームーン」の始まりです。1年を春夏秋冬で4等分した場合に、普通は1つの季節で3回満月があるものですが、時に4回満月になる季節が生じます。その季節の3回目の満月をブルームーンと呼ぶのです。
しかし、今日においてよくメディアなどで報じられるのは「1カ月に2回満月がある場合の、2回目の満月がブルームーン」というもの。アメリカ議会図書館によると、もとはアメリカの「スカイ&テレスコープ」という雑誌の1943年7月号の質疑応答と、1946年7月のコラムにて掲載された、間違った内容が発端だったそうです。
まあ、そもそもブルームーンに科学的な定義はありません。3回目にしろ2回目にしろ、どのみち民間伝承です。議会図書館によるブルームーンについての解説ページでも、現在一般的となった解釈の発端が雑誌の間違いであったことに言及こそすれど、広まった現状を否定するような文言は無いように見えます。
ちなみに31日のブルームーンは、雑誌の間違いから生まれた方のブルームーンです。19世紀の民間伝承基準なブルームーンは当分先で、2021年8月22日の満月がそれに該当します。
・天気は?
そういうわけで、まずは今夜の中秋の名月(まだ満月ではなく、10月2日午前6時頃に満月となります)。気になるのは天気でしょう。日本気象協会の天気予報によると、今日から明日にかけてはほぼ全国的に晴れる地域が多いもよう。
北海道と東北はやや天気がすぐれないようですが、雨の予報が出ているのは札幌のみ。曇っていても、雲の切れ間から見える可能性もあるのではないでしょうか。雲一つない夜空に浮かぶものも良いですが、雲の切れ間から見えるのもそれはそれで風情がある気もします。
国立天文台によると、東京における月の出は17時29分。23時27分に南中するそうです。それでは皆さん、今夜は良いお月見を。
参照元:国立天文台[1][2]、アメリカ議会図書館、The Old Farmer’s Almanac、日本気象協会 tenki.jp、JA福岡
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.