回り道をして「TKGの最強レシピ」に辿り着いた! 卵かけご飯専用の鰹節(かつおぶし)は何が違うのかを調べようと購入したら…

卵かけご飯(TKG)を美味しくすることは、誰にだってできる。手間をかければいいのだ。卵の白身と黄身を事前に分けるとか、卵黄を醤油漬けにしたりすれば、TKGの味は確実にレベルアップする。

しかしながら、それらを実際にやるのは面倒くさい。そもそも、TKGは手軽に食べられてなんぼ。面倒くさいと思いながら作ったら、それはもうTKGじゃない。最小の手間で美味しくできなければ意味がないではないか。

……と考えるようになった私がたどり着いたのが、トッピングである。ちりめんじゃこなり海苔の佃煮なりをTKGの器に入れるだけだから、手間なんてほとんどかからない。それでいて味は劇的に変わる。一見邪道に思えるが、手間をかけないという点ではトッピングこそ王道のTKGではないか?

前置きが長くなったが、そんなわけで今回紹介するのはTKGトッピングの「王」とも言うべき鰹節(かつおぶし)である。それも、TKG専用を謳(うた)う鰹節。名前はそのまんま『卵かけご飯専用極上宗田節』だ。

ちなみに、ご覧の通り正確には宗田節だが、高知県の公式サイトのよると宗田節は鰹節の1種とのことなので、本記事では分かりやすく鰹節でいきたい。

・普通の鰹節とどう違うのか?

さて、この商品は私が高知県を訪れたときに空港で偶然発見したのだが、なにも高知県まで行く必要はない。オンラインでも購入可能で、価格は税込400円(10g入り)だ。

なお、私が店頭で購入したときも同じ価格。その時は、いかにも人気商品的な感じで陳列されており、ポップに記載されていた「ふわっふわっ!!」などの文字が目を引いた。

そして何より気になったのは、やはり「卵かけご飯専用の鰹節」の部分。これは一体どういうことだろう? ぶっちゃけ、どの鰹節もTKGには合う。あれ以上の相性の良さを、この専用鰹節は実現するってことなのだろうか? というか、普通の鰹節とどう違うんだ?

・いきなり結論

そのあたりが気になったので、買ってみた。で、結論から言うと、確かに普通の鰹節とは違う。高知で購入したTKG専門鰹節と、近所で買った鰹節(小分けパック5つ入りで100円くらい)を比べてみたら……

まず色が違う。TKG専用鰹節は、普通のものに比べて白っぽい。それから、想像以上に味に差がある。TKG専用鰹節の方は、口に入れた瞬間こそ「あら、お上品な」という感じだったのだが、じんわりと鰹の風味が広がっていく

一方、ノーマルの鰹節は口に入れた瞬間の鰹感が強いものの、後から来る印象は薄い。もっと言うならば、TKG専用鰹節と比べると、ノーマルな方は雑味が目立つ気がする。

これまでノーマルな方で何の不満もなかったのだが、TKG専用鰹節と比べるとどうしても気になってしまう。早い話が、より美味いのはTKG専用鰹節。こちらの方が、しっかり鰹節してるのだ。ノーマルが鰹節してないわけじゃないが、比較するとTKG専用の方が明らかに鰹。

ただ逆に言うと、これをTKGだけで使うのはもったいない気もする。コクが強いので、お茶漬けとかにも合うのではないか?

──と、比較した結果はこんなところなのだが、実はそれ以上に気になることがあった。何かというと、TKG専用のパッケージに書かれた「絶品卵かけご飯の作り方」である。商品パッケージにレシピが書かれていることは珍しくも何ともないのだが……

【絶品卵かけご飯の作り方】
1:白身だけをご飯と十分にかき混ぜる。
2:黄身を混ぜたら、宗田節をたっぷりと。

──これは! 以前の記事で紹介した「伝説のTKG」と同じではないか!? あのレシピが、美味しい作り方の代表例になるなんて……。個人的に感慨深いので、上の通り作ってみることにした。

・最初の失敗

まず、卵を白身と黄身に分ける。これが面倒なんだよな……と思ったそのとき! 私は気付いたのである。上の通り作ったら、醤油はどのタイミングで入れたらいいのか? と。

なんということだろう。パッケージに載っている公式レシピは、大胆にも醤油を無視しているのだ。TKGのレギュラーである醤油を。まさか、TKG専用鰹節を大量にかければ醤油など不要ということだろうか?

試しに、醤油ナシでご飯に大量のTKG専用鰹節をかけて食べてみたが……醤油は絶対に必要だぞ! でも、投入のタイミングはいつだ? 混乱した私は「1」の段階で醤油を投入し、TKGを完成させた。そこに専用鰹節をかけたら美味かったので、結果オーライでいいだろう。

──と思ったが……食べ終わってから私は愕然とした。というのも、調べると『卵かけご飯専用極上宗田節』の販売元である新谷商店の公式サイトには、なんと作り方の完全版が載ってたのだ。

なぜ最初に調べなかったのか……と自分のアホさに呆れながら読んでいったら、醤油を入れるのは最後の段階らしい。しかも、思ったよりも鰹節をガッツリ盛るようだ。正確な作り方は公式サイトを確認してもらうとして、私のように誤解する人が出ないよう、以下に大まかな内容を記載しておこう。

【やっと辿り着いたTKG最強レシピ】

1:ご飯は気持ち少なめ。もちろん、ホカホカのご飯だ。

2:卵の白身と黄身を分け、白身だけをご飯と混ぜる。このあたりは、伝説のTKGと同じ。

3:あとから黄身と鰹節を乗せるのだが、とにかく『卵かけご飯専用極上宗田節』をガッツリ入れる。オンラインショップの説明によると「たっぷりかけて4~5回分の容量」とのことだから、1本の1/4を使うくらいの勢いで豪快に行くべし。

4:醤油をかける。なお、個人的には以前の記事でも紹介した「たまごかけごはん研究所」の公式醤油がここでもいい仕事をしてくれたように感じたが、なければ普通の醤油でも可。ポイントは入れすぎないこと。醤油で味をキメにいかず、鰹節で押す。

5:黄身を崩してかき混ぜ、いただきます。

——以上。ちなみに、上のように作って食べたところ……

うまあああああ! 鰹が口の中に踊っている! いつもはジャンクなTKGが上品になっているぞ。最初に食べたバージョンでも文句なしに美味かったが、それを超えている。間違いなく越えている!! そうか、鰹節は思ったよりも多め、醤油が少なめがコツなんだな。

というわけで、最強のTKGレシピを求めている人、あるいは『卵かけご飯専用極上宗田節』を使って公式のオススメレシピ通りにTKGを作る人は参考にしてみてくれ。まぁ中には、当初の私のように「白身と黄身を分けるのが面倒くさい」と思う人だっているかもしれないが……今日くらいは多少の手間をかけてもいいかと思う。

むしろ、やるなら今日だろう。なぜなら、本日10月30日は「たまごかけごはんの日」だから。

参考リンク:新谷商店「卵かけごはん宗田削り節がけ」、「オンラインショップ」、高知県
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

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