ビートルズの元メンバーであり、ソロになってからも『イマジン』などの数々の名曲を世に送り出したジョン・レノン。彼が自宅アパートの前で銃撃され、殺害されたのは32年前の1980年12月8日のことだ。
ジョンを射殺したのはマーク・チャップマンという名の男だった。チャップマンは無期刑を受け30年以上にわたって服役してきたが、先日7度目の仮釈放の申請をしたことが判明した。このニュースを受けネットユーザーからは、仮釈放に強く反対する声が上がっている。
ニューヨーク州矯正当局が8月18日(土)に発表したところによると、仮釈放申請の審理の結果は一週間以内、早ければ火曜日にも出るそうだ。チャップマンは、これまでに6度仮釈放の申請をしているがいずれも却下されている。アメリカでは服役20年を経過すると、仮釈放の申請を2年おきに行えるのだ。2000年以降6度申請してきたのだが、受理されたことはない。
彼は2010年の仮釈放申請の審理の際に、著名なテレビ司会者のジョニー・カーソンや大女優のエリザベス・テイラーも殺害ターゲットのリストにあげていたことを告白している。
そして、「(ジョン・)レノンじゃなければ、他の奴だったろう」と仮釈放委員会に語ったそうだ。ジョンを選んだ理由については、「リストの中で最も近づきやすい人物だったから」と、殺害に至ったいきさつを話している。
実はチャップマンは、ジョンの熱狂的なファンであったと伝えられている。事件当日、レコーディングを終えて妻のオノ・ヨーコとともに帰ってきたジョンを、玄関先で待ちぶせし、4発の銃弾を放った(実際は5発発砲)。銃撃の直前に「ミスター・レノン」と声をかけたことは、あまりにも有名な話。しかし2008年の仮釈放審理で、そのことを否定し「ミスター・レノンと声をかけたことを思い出せない」と証言している。
いずれにしても、彼の行動は結果的に世界を震撼させ、消えることない深い悲しみと怒りを生んだ。今回の仮釈放申請に関しても、ネットユーザーからは仮釈放に反対する声が次々と上がっている。以下は米メディア、ハフィントンポストに投稿されていたコメントだ。
「ジョン・レノンにセカンドチャンスを与えられないのなら、奴にも仮釈放はない。絶対に」
「ジョン・レノンが戻ってきたら、彼を仮釈放しろ」
「奴はジョン・レノンを終身刑にしたくせに、奴自身は20年の刑だなんてバカげてる」
「書かれることのなかった曲のことを考えてみて。私は(仮釈放に対して) “NO” です」
殺害から32年経った今も、ファンの悲しみと怒りは鎮まることなく、失ったものの大きさを改めて感じずにはいられない。オノ・ヨーコも、2010年の審理の際には自身と家族に危険が及ぶとして、仮釈放に断固として反対している。今回の審理の結果はどう出るのか。世界中の人々が不安と緊張を胸に結論を待っている。
(文=佐藤 ゆき)
参照元:The Huffington Post、abc NEWS(英文)
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オリジナル記事: ジョン・レノン殺害犯が7度目の仮釈放を申請 / ネットユーザーの声「レノンが戻ってきたら仮釈放しろ」
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