人間社会ではテーブルマナーなどは重要視されますが、動物にも食事のマナーがなっていないケースがあるようです。
食い意地が張りすぎて、おかしなことになった動物たちをご覧ください。
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いわゆるブランド買いをすることはあるでしょうか。
品質がいいからだとか、センスが好きだからだとか、理由もさまざまですが……。
「このブランドにはずっと忠実だというのはありますか、それはなぜ?」
この質問に対する、海外掲示板のコメントをご紹介します。
ジャンボ〜ッ! チャオスです。ケニアのナイロビでタクシー運転手しているチャオスです。マサイ族のルカが自動車、それも日本車が欲しいと言ってたけど、日本円にして約50万円で買えるのかなぁ〜? ……というのが正直なところ。
というのも、ケニアで日本車は高いから。そこで今回は、オレの愛車・トヨタ「ラウム」の中古車を例にして、日本の中古車はケニアでいくらくらいで売られているのか? を語ってみたいと思いま〜す。
まず、オレが今の愛車「トヨタ・ラウム」を購入したのは2016年の2月。年式は不明だけど、走行距離は約4万kmでした。では、そんなラウムを、どのくらいの価格で購入したのかというと……
120万ケニアシリング(約117万6322円)。
正確には97万ケニアシリング(約95万円)で売られていましたが、ローンを組んだため、価格が120万まで上がってしまったんだよね。ちなみにローンは昨年、すべて払い終えたよ。4年もかかったよ……。
それはさておき、なぜトヨタ・ラウムを選んだのかというと、まずは「維持費が安い」から。燃費は良いし、壊れにくい。さすがはトヨタ、さすがはメイド・イン・ジャパンって感じだ。
もし仮に壊れたとしても、スペアパーツが安価で手に入るし、誰でも修理できるメカ構造になっているのがトヨタ車の魅力。実際、キマナの町の小さな車屋さんでも簡単な修理を受け付けてくれたしね。
では、そんなトヨタ・ラウムが最高に気に入っているのかというと……実はそうでもない。いかんせん、小さい! できれば、もっと大きな車が欲しいんだよなぁ。あとは、もっと悪路に強い車が良いなと。トヨタのRAV4みたいなのが。でも、トヨタRAV4、こっちでは300万円以上するんだよね。夢のまた夢……。では、クワヘリ!
Report:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
松屋がこんどはエビチリをテスト販売しているらしい。公式Twitterによると、2020年8月18日からやっていたようだ。実施中の店舗を見てみると、北海道から福岡まで、テスト店舗はわりと全国に分布している。
松屋はTwitterにて「控え目に言ってサイコー」と、自信に満ちた様子。さっそく食べてみたところ……ガチめな辛さ! 海老がプリップリで、いっぱい入ってる!! ご飯が止まらねぇ!!!
『海老のチリソース定食』はノーマルが730円(税込)からで、W定食は1130円(税込)から。ライスは大盛り無料サービス中。60円増しでポテサラをつけるオプションもあるようだ。
券売機には「こちらの商品は辛いメニューです」との注意書きも。どれにするか少し迷ったが、やはり最初から全力で迎え撃つべきだろうと思い、W定食を選択。
待つこと5分ほどで到着。
割と気前の良いボリューム。匂いの時点でそれなりに辛そうなのがわかる。卵でとじられており、上からだとエビがどれほど入っているのかよくわからない。
しかし、エビチリにおいて最も重要なのはエビだ。特にエビの量は、何よりも優先して明らかにせねばならない。スプーンで混ぜてみたところ……
出てくる出てくる。卵の下にはエビがゴロゴロと入っている。それこそ、ごろチキにおけるチキン並の割合でエビが入っている。真っ赤なエビの泉。ノーマルだと恐らくエビも半分くらいになると思われるので、この感動はW定食の特権だろう。
しかもこのエビ。食べてみると、とてもプリップリしているのだ。エビの質と量、ともにハイクオリティなエビチリである。
そしてこの真っ赤なソース。注意書きの通りに辛い! 辛いのが苦手な人には安易に勧めがたいが、この辛さがたまらない。ほのかにケチャップ的な酸っぱさが最初にやってきた後、バチバチと容赦ない辛さが舌と喉を襲う。
チリソースの荒々しい辛さと、ほのかに甘みのある弾力に満ちたエビによる波状攻撃。ご飯の量は大盛り一択だろう。エビチリ一口に対して米3口くらいのペース配分となり、ご飯がどんどんなくなる。
欠点をあげるとすれば、W定食の場合はご飯大盛りでも若干足りなかったことだろうか。米の消費量が超絶に加速してしまう。ノーマルならご飯は十分だろうが、しかしノーマルよりW定食の方がエビ的な満足感は高いだろうし、悩ましい問題だ。
連日の暑さで低下気味だった食欲が、一気に最高潮にまで復活した美味さ。これは、好評でそのうち実施店舗が拡大されるパターンな気がする。
松屋の店舗限定メニューは、場合によっては本当に限定すぎたり、実施店舗が不明で食べたくても食べられないパターンもなくはない。しかし今回は公式Twitterに実施店舗のリンクが投稿されている。トータルで70店舗とそれなりな規模でテスト中なようなので、近所にあれば食べてみてはいかがだろう。
参照元:Twitter @matsuya_foods、松屋
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.
メガネっ子の皆さんは、マスクやフェイスシールドに日々わずらわしさを感じているはず。私(佐藤)もメガネっ子なので、その気持ち、痛いほどわかるぞ! 一言でいえば、マスクもフェイスシールドも邪魔くさい。メガネの邪魔になるんだよなあ。
そのわずらわしさを解消するフェイスシールドを発見したので紹介しよう。「マスコット・シールド・デザイン」(税込748円)は、メガネのツルにひっかけるマウスシールドだ。試しに使ったら、コレはなかなかいい感じ!
メガネとマスクの相性はあまりよくないと思う。寒い時期ならマスクにこもった息がメガネを曇らせる。それからマスクを外す時に、耳紐がメガネのツルにひっかかることもある。これがなかなかウザい!
フェイスシールドとメガネの相性もイマイチだ。そもそも2重にメガネをかけてるみたいに見えるし、シールドがメガネに当たると、猛烈に気分が悪い。メガネっ子はメガネがズレただけでイラっとするんだよ、マジで。
これらの不満を解消してくれるのが、このマスコット・シールド・デザインだ。まさに、メガネのために作られたシールドといってイイ。口元を覆うタイプのポリプロピレン製のシールドで、メガネ・サングラスがないと使用できない商品である。
使い方はカンタン。商品の横にある切り込みに、メガネのツルを通すだけだ。
シールドを付けた状態でメガネをかけると……
お! いい感じ!!
視界は良好! シールドと口の間に適度な空間があるので、呼吸もしやすい。おまけにクリアタイプなので、口元が自然に見える。
タイプ違いのメガネに付けてもバッチリ使える!
上に持ち上げれば、ドリンクを飲むこともできる。けど! シールドを持ち上げすぎると、メガネも一緒に持ち上がってしまう。
シールドを着けて何かを飲む時は、ストローを用意した方が良さそうだ。
マスクやフェイスシールドに悩むメガネっ子たちよ。この商品は君の助けになるかもしれないぞ。全国の東急ハンズで販売している(一部取り扱いのない店舗もあり)ようなので、見つけたらチェックして欲しい。withコロナ時代も快適なメガネライフを過ごそうぜ!
参考リンク:株式会社タイセイパック
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
新型コロナウイルス拡大防止のため、旅行控えムードが続いている。海外旅行はもちろん、国内移動も慎重にならざるを得ない状況で、GoToトラベル事業も振るわないようだ。
もともと旅行が好きで、歯がゆい思いの人もいるだろう。少しでも旅気分を味わえる方法はないか、と思ったときに「リモート旅行・オンライン旅行・バーチャル旅行」は選択肢に入るだろうか?
コロナ流行以前は現実の旅行を手配していた「ソクたび」が、リモート旅行のサービスを実施。「おうちソクたび」と名づけて、現地の銘菓や特産品を自宅に届けてくれる。今回、お試し版ともいえる「どこかのプチ旅気分」(税抜980円 / 販売終了)をやってみたので感想をお伝えしたい!
「おうちソクたび」とは、簡単にいうとオンライン上のミステリーツアー。「城下町」「海」などのキーワードからコースを選んで申し込むと、現地から「旅が体験できる1箱」が届く。実際に行くわけではないのだが、「旅行当日」のような実施日があり、一定のあいだ募集を行う。
旅行当日までは、たびたびLINEが送られてくる。内容は「現地の天気」「現地で聞こえる音」など行き先のヒントになり、それでいてネタバレしない絶妙なもの。当日までの気分を盛り上げる演出になっている。
リアルでパッケージツアーを申し込むと、添乗員さんから「〇日前コール」や「挨拶コール」などの連絡が入ることがあるが、それと似ている。筆者には何度目かのLINEで、ざざん……ざざん……と波が打ち寄せる音が届いて、「海辺の街だー!!」とテンションが上がった。
旅行当日にはYouTubeで現地からライブ配信が行われる……のだが、ここでアクシデント発生! 実は商品が到着したのが配信開始の1時間前!! 間に合わないかとヒヤヒヤした。
ライブで見られなくてもYouTubeにアーカイブされるので後から見てもいいのだが、やはり臨場感には欠ける。商品は目的地の事業者から直接届くシステムのようで、筆者の自宅までは遠すぎたのかもしれない。
気を取り直して、届いたのは以下の商品。筆者は「プチ旅」だったのでポストインだが、正式版の場合は宅配便で届く。
お届けは愛媛県伊予市から!! ずいぶん遠くから来たなぁ。
1. 地元の銘菓らしい「恋しぐれ」
2. 地元カフェのお菓子らしい「下灘珈琲ビスコッティ」
3. 酵素風呂のもと
4. トゥクトゥク乗車券つきシーグラス?
以上4点だが、愛媛に行ったことがない筆者としては由来も名物もわからないので「これなぁに?」となる。
そこで同梱のパンフレットの出番だ。
まずは「旅のしおり」! 目的地は「双海(ふたみ)」という町で、実際に旅するとしたら……というモデルプランが示されている。ふむふむランチは鯛めしで、鱧(はも)の水揚げを見学するのね。
夕方に立ち寄る「芳我ベーカリー」の名物が「恋しぐれ」というお菓子。別添のガイドブックによると、ふたみシーサイド公園の「恋人岬」にちなんだ和菓子だそうだ。かつて地域に子どもが多かった時代には、小学校の給食パンも作っていたんだって。
同じくビスコッティは、『男はつらいよ』『HERO』のロケでも使われた「JR下灘駅」のコーヒースタンドから。フォトジェニックな駅で、全国からカメラマンが集まるのだそう。
海沿いぎりぎりに浮かぶようなホーム。ああ、見たことある!
酵素風呂のもとは「米ぬか酵素風呂 酵素まる」から。「店主のまりさんは人と人とをつなぐ人」とのことで、地元なら誰もが知る名物店長さんとみた。
来店した人がもらえるであろう店内マップが同封。これはいい! 旅先でもらったペーパーアイテムは、記念に持ち帰ったり、スクラップブックにする人も多いよね。通販で商品だけを受け取るなら不要なものだけれど、これぞ「旅気分」を盛り上げると思う。
最後に謎アイテム「トゥクトゥク乗車券」つきの「シーグラス」だけれど、ガイドブックを読んでわかった。
地元でマリンアイテムを売る雑貨屋「海アフロ POST」が、愛媛を湘南のようにしたいという夢を抱いてトゥクトゥクの運行を開始。商品を購入すると乗車できるのだとか。ちなみにシーグラスとは浜辺で拾えるガラス片のこと。めちゃめちゃローカルな話だな!
なお、今回ご紹介したのは「プチ旅」だが、レギュラーコースともいえる「海風ごちそう旅気分」(記事執筆時点の販売プランで6480円)では、「鱧しゃぶ」や「鯛めし」など、より多彩な特産品が楽しめるという。冷蔵便や冷凍便で届き、嫌いなものや避けてほしいもののリクエストも出せる。
当日、指定された時間にはライブ配信もある。瀬戸内の街からの中継だから、臨場感を出せるようベランダでスタンバイしてみた。暑〜い!
今回は「質問お返事コーナー!」と題したトークが中心で、屋外からの中継はほぼなかった。プロの映像ではないから、こなれていないところもあるが、ほのぼのと手作り感のある配信だ。例えるなら遠くの親戚の家とテレビ電話がつながっているような感覚。
一方で、オンライン旅行を提供する他社サービスの中には、本職のガイドが現地を案内したり、撮影・編集スタッフが動画を作るところもあるようだ。
事前に何度もリハーサルを行い、台本にもとづいて進行するなど、映像コンテンツとしても高品質になるはず。配信そのものに価値があり、それを見るために料金を払うというサービスモデルだ。
今回の「おうちソクたび」、直前まで行き先がわからない “ミステリーツアー感覚” や、なにが届くか完全にお任せの商品内容、実際に旅行に行った場面をイメージできる「旅のしおり」など、ユニークで面白いアイディアが満載だった。
ただ有名な品を詰め合わせました、という無機質なものではなく、「実際に旅行したら立ち寄るだろう場所」「買うであろうお土産」が厳選されていて、背景に「ストーリー」があるのがいい!
予算との兼ね合いもあるだろうが、これで映像コンテンツの充実があれば、最強サービスになりそうな予感。ライブ中継ではなくても、「旅のしおり」に合わせてプロが案内した映像を編集し、1本の番組にするのはどうだろうか。現地の特産品+映像コンテンツが組み合わされば、リアル旅行のかわりにリモート旅行というのも「あり」になると思う。
プランは時期によって異なり、記事で紹介した「どこかのプチ旅気分」は販売終了。現在は内容がパワーアップした「どこかのお試し旅気分」(税込2980円)を販売中だ。
もともと「ソクたび」は、予算に合わせて1泊2日の旅をコーディネートしてくれる旅行手配サービス。出発前日に目的地がわかるというドキドキのツアーを手がけてきた。お客さんをびっくりさせる、喜ばせることは十八番といえる。現在は販売休止中だけれど、リアルな「ソクたび」も行ってみたいなぁ。発想力がきらりと光る新鮮な体験だった。リモート旅行、いかがだろうか?
参考リンク:おうちソクたび
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:おうちソクたび
非常事態というのは滅多に遭遇しないからこそ非常な事態なのですが、いざ直面してしまった時には平時以上に正確な対応が必要になるもの。滅多に無い機会に最高のパフォーマンスを求められるとか割と理不尽。
これに対し、「自分はやれる」的な自信を持ってる人は多いと思います。何を隠そう、筆者もそのたぐいでした。しかし、先日巻き込まれた非常事態でまさかの展開に。
詳しくは後述しますが、今回の件で重要な教訓を得ました。まず、緊急通報用の番号はスマホに登録しておいたほうがよさそう。そして、近所の表札に出ている名前を把握しておくことも、しないよりはいいと思います。
事件が起きたのは8月のはじめ。時刻は午前2時から午前3時ごろ。激しい雨が降っていました。筆者が自宅で仕事をしていると、開けっ放しの窓の外から、何やら人の声に聞こえなくもない音が。
最初のうちは雨が金属製のものに当たって出る音だと思って、スルーしていました。しかし、その音はある程度一定の間隔をあけて聞こえてきます。
少し気になりだしたので、いったん作業を止めて窓辺へ。耳を澄ますと、どうやら女の人の声のよう。少し悲鳴じみて聞こえなくもないものの、そうでもない気もする……的な。熱帯に降るスコールじみた激しい雨で、よく聞き取れないのです。
その時点で筆者の下した判断は「雨音に紛れて近所で誰かが交尾している」というもの。筆者の住むエリアでは、夏の夜に土着のホモサピエンスたちによる交尾が、開放的環境下で行われがちなのです。
その後も声は聞こえ続けていましたが、無視して仕事に戻った筆者。そこから20分ほど経過したところで、それまで窓ガラスを激しく叩いた雨の音が弱まり、例の声がよりはっきり聞こえるように。
マジかよ、まだやってんのか? やれやれ、もう雨で声は消されないってのに……いや、この声の感じ……そういうのとは違うぞ。待てよ、何か言ってるのでは?
再び窓辺にて耳を澄ますと、女性の声で「助けてください」と言っているように聞こえます。最初は間違いかと思いましたが、5分ほど聞いて、間違いないと確信に至りました。
この時点で声の元に向かうつもりではありましたが、筆者の住むエリアは夜中の治安があまり良くありません。むしろ悪いほうです。助けを求める声で人をおびき寄せて襲う……的な罠の可能性もあります。
ということで、わが身に危険が降りかかる可能性を想定し、助けを求める声が聞こえることと、様子を見に行く旨をSNSに投稿。懐中電灯は持っていないので、動画撮影用のとても強力なライトをつけた、丈夫な一脚(脚が一本の三脚)などを装備。
周辺の路地は、わりと無計画に敷かれた感満載。まだ雨は少し降っており、街灯もろくに無いため視界は劣悪でしたが、ライトはつけず、周囲の人の気配を探りながら息を殺して声の出どころを探しました。
10分ほど近辺をウロウロして、ようやく声の出どころを特定。どんどん声が小さく、弱々しくなっていたおかげで、むしろ聞こえる範囲が絞られ、位置の特定に至りました。
どうやら筆者の住む建物と隣の家の間の、幅60センチ程度の細い路地の奥から聞こえていた模様。入ったことはありませんが、激しい雨が降ると、よく水があふれてドブ川みたいになる路地です。
また、隣の家と言っても結構な高低差があり、「お隣さん」的な感じはありません。筆者の住む部屋からは、その路地沿いの家は屋根しか見えず、住人の姿を見たこともなく、近いけど無縁なエリアです。
路地は完全に真っ暗で何も見えなかったので、ライトを点灯。奥を照らしてみると、人が倒れているのが見えました。救助を求めていた人で間違いなさそう。
路地の奥で倒れていたのは、かなり高齢の女性でした。いつからその状態だったのかは不明ですが、少なくとも筆者が最初に声に気づいた(その時は無視しましたが)時から40分ほどが経過しています。
全身泥まみれで、激しい雨にも曝されていた(というか、恐らく雨の間その路地はドブ川のようになっていた)というのもあるでしょう。相当に体力を消耗しているようでした。
助けを求めていたことからも明らかに意識はありますが、自力では起き上がれない様子。老婦人は筆者に何か言ったようでしたが、正直言葉になっておらず、声量も小さすぎて聞き取れませんでした。
骨折や流血の有無はわからず、しかも会話による意思疎通は微妙な感じ。素人判断で抱き起したりすることにリスクを感じたため「動かないように。救急車を呼びますから」とだけ告げてスマホを手にしました。
老婦人を安心させようと笑顔で頷いたりしながら、筆者が自信を持って素早くダイヤルした番号は
911
電話はすぐにつながり、聞こえてきたのは「This is SoftBank. The emergency number you have dialed can not be completed from……」という英語の録音ボイス。
端的に言うと「その番号じゃねぇぞ」という内容です。そういや日本の救急車って911じゃないよなと、ようやく気付きました。一旦通話を切り、スマホ上で再びダイヤルパッドを開きました。
そして「あれ、救急車って何番だっけ?」と。救急車の番号が全く思い出せないのです。普段ならそんなことは無いと思いますが、この時にはどうにも思い出せませんでした。
ヤバいぞこれは。思っている以上に平静さを失い、スペックダウンしているな……と。そういう自己診断はできるわりに、肝心の救急車の番号は出てこないのです。
ようやく助けに来たヤツが救急車の番号を思い出せないなど、絶望的にも程があるでしょう。こちらを見ている老婦人に状況を気取られないよう、「ちょっと電波が繋がらないので、広い所に出ますね」とごまかしつつ、路地から出る筆者。
少しどうすべきか考えてググればいいことに気づき、ようやく救急車を呼べました。想定外のタイムロスです。結果的にはそこまで一分一秒を争うような状況ではなかったのが幸いでした。
後は救急隊員を待つだけと思いきや、そうでもありませんでした。電話で現場の住所を伝えただけでは足りないようで、より詳細な場所を知らせる必要があったのです。
電話の向こうのスタッフは、恐らく名前入りの住宅地図的なものを見ているのでしょう。「そこは〇〇さんのお宅のそばですか?」といった感じで聞いてきました。しかし筆者は近所づきあいなど皆無。昨今では割とあることだと思うのですが、名前を知っている家など周辺に一軒もありません。
上の階の住民が、よく煙草を下に投げ捨ててくる日本語の通じないアジア系外国人であることや、同じ建物のどこかに日本語の通じない東南アジア系外国人が住んでいること。そしてネオナチズムに傾倒している東欧系の青年グループがどこか近くに住んでいること。これが筆者の知るご近所の全てです。
この時には幸いにも、少し気力を取り戻しつつあった老婦人が、自分の名前を筆者に伝えることができました。そして、そばの家がその老婦人の家であることも判明したため、どうにかなりました。
しかし、もし要救助者が意識を失っていたら、周辺の表札を確認して回る必要が出たでしょう。最近では一軒家であっても表札を出さないケースがあるため、更なるタイムロスにつながる可能性も考えられます。
その後は少しして到着した救急隊員に後を託しましたが、落ち着いてからしみじみと思いました。もし救急車の番号をド忘れしたとか、自宅のそばで詳細な場所を伝えられなかったことで最悪の結果になったりしてたら、寝ざめが悪過ぎるよなと。
ということで、すぐにスマホの電話帳に119番を登録。近所づきあいをする気は皆無ですが、とりあえず近辺の表札に出ている名前くらいは覚えておくことにしました。
何かあった時のためというか、実際に「何か」があって実感しました。どんなに自信に満ちていても、いざとなると思うようにはいかないもよう。
皆さんも、緊急通報用の番号のスマホへの登録(割とガチで)と、近所の家の名前の把握(住居によっては不要かも)はしておいた方がいいんじゃないかなって。
Report&Illust:江川資具
Photo:RocketNews24.
売れっ子作家といえば思い浮かぶは「カンヅメ生活」。締め切りが迫ると、日々の喧騒から逃れて静かな旅館やホテルで原稿執筆に没頭する。そんな「カンヅメ生活」に憧れる人も多いのではないだろうか。
「でも自分は別に売れっ子でもないし、その前にプロの作家でもないし、今のご時世カンヅメ生活してる作家も多いわけじゃないし、別に、しなくっても……」といじけてる諸君に朗報! なんと! 東京都文京区本郷にある老舗旅館で、文豪缶詰体験ができるのだ!! 諸君の思いを胸に、筆者がカンヅメ体験してきたぞ!!
場所は本郷三丁目。築100年余りの登録有形文化財である鳳明館は、本館と別館2つをもつ老舗旅館だ。元々下宿屋だった本館が旅館に転業し、その後別館ができたという。今回、カンヅメ体験ができるのは森川別館。1泊2日のプラン。はたして、どこまで執筆に没頭できるだろうか。
鳳明館森川別館は、南北線東大前駅から徒歩5分。しかし私は本館と勘違いしていて丸ノ内線の本郷三丁目から歩いたため、徒歩13分だった。ちょっと坂があったりしたが、途中で本館と台町別館も見ることができたので逆にラッキーだった。
森川別館の佇まいは実に歴史を感じる。きっと実際に多くの作家が缶詰体験をしてきたのだろう。感慨深く玄関の前に来ると、大きな文字で「鳳明出版編集部 先生御一行様」と書いてある。そんな、先生って恥ずかしい……。
中に入るとデデンと趣のある渋い玄関ロビーが広がっている。雰囲気がたまらない。
照れていると、靴箱にも「千絵ノムラ先生」の文字が。ここまで来ると少し開き直るしかない。そう、私は作家先生なのだ!
編集部の皆さんが迎えてくれ、さっそく部屋に向かう。
うーん、廊下も実に趣があり、歴史を感じる。
私に用意されたのは一番奥の「はるな」という部屋だった。ここにも「千絵ノムラ先生」と札がある。ちょっと芸能人の楽屋感があるが、悪い気はしない。他の部屋には2名の名前が書いてある札もあった。2人で缶詰も面白そう。
さて、お邪魔しまーす。
おお、広い!!
どどーん!!
中に入るとそこは12畳の和室。もうすでに布団が敷いてあった。
それにしても広い。1人にはもったいない。寂しくならないだろうか……と不安を抱えていると、担当編集者の伊藤さんより説明が。事前に答えていた執筆目標や、担当編集者の厳しさレベル、差し入れにやめて欲しいものなどの確認をされる。いや、それにしても編集者さん、可愛いな。私が男だったらきっとウハウハだろう。
と、よこしまなことを考えていると、説明は終わり、伊藤さんは部屋を出て行った。
さっそく! 私は缶詰にならなければいけない。部屋にある大きな机でも十分だが、せっかくオプションでつけた文机があるので、これを利用しなければ! とまず机の配置を考える。しかしそこで大きな問題に行き着く。
コンセントが遠い……。
パソコンを使わなければ何の問題もないのだが、現代っ子の私には、電源が必須だ。むむむ。いや、まずWi-Fiをつなごう。しかしこれもなかなかうまくいかず、編集さんにSOSの電話をする。
すると編集の鈴木さんが高速で、延長コード2本とルーターを持ってきてくれた! これはかなり至れりつくせり! ちょっと悦に浸ってしまう。さすが私は作家先生。
しかし残念ながら、延長コードを2本繋いでも机には届かず、布団の近くに文机を移動する。iPhoneを充電し、パソコンも電源につなげ、いざ執筆! 私のこの日の目標はロケットニュースの記事作成と、別仕事の宣伝、それにブログの更新だ。
もくもくもく。
遮断された空間は確かに仕事が捗る。唯一の敵はネットサーフィンだ。ついつい用もないのにTwitterやらメールやらを見てしまう……。
すると!
リンリンリンリンリン♪
は! 電話だ! しかもかなり昭和を感じるベル音。そうだ、オプションで進捗コールを頼んでいたのだった。編集さんから喝を入れていただき、ネットを見てる場合じゃないことに気づいた私は、旅館自体も取材しなくては! と部屋の外を探検することにした。
築100年余りということで、レトロ好きな私にはたまらない空間が広がっていた。旅館は4階建で、私の部屋があるのは2階。部屋数はかなり多い。
そしてところどころに「進捗いかがですか?」の張り紙がある。
「はい、戻ります……」
一通りの探検を終え、部屋に戻ると18時30分。見張りを頼んだ時間である。そっと窓の外を覗く。
おお!
いるいるいる! 見張られている!!
いかにも「見張っています!」という体裁の伊藤さんと鈴木さんがいる!
面白い。可愛い。伊藤さんが双眼鏡を持って、鈴木さんが文字の書いた紙を持っている。そこには「窓からおでかけですか?」「原稿まだですか?」のメッセージが。思わず微笑みながら写真を撮る。癒されたところで、差し入れの時間まで執筆に勤しむ。差し入れは何だろう……。わくわく。
差し入れはなんとカツ丼だった! 私は「世界がもし終わるなら最後に何が食べたい?」という質問に必ずカツ丼と答えるほどの大好物だ。それに栄養ドリンクとお菓子つき。うん、バランスがいい。あっというまにカツ丼をたいらげて、ふたたび執筆。
さて、20時半になり早めのお風呂に入ることにした。1階にお風呂がある。お風呂は男女別で、女性はローマ風呂だった。
お風呂は素晴らしきタイル風呂。誰もいないので独り占めだった。ローマ風呂というだけあって、壁画やお風呂の形がローマっぽい。ちょっと熱めのお湯が抜群に気持ちよかった。
お風呂からあがり、ドライヤーを借りて部屋で乾かして、ふたたび執筆。しかしこの頃になると逆にワクワクしてきてしまった。修学旅行などで夜が近づくとワクワクしてしまう、あれだ。一人なのに何故ワクワクしてしまうのか。
しかし目標までまだまだなので、ここで一気に頑張らねばならない! ということで、ペースアップ!
もくもくもく。
ふぅ〜。記事を1本仕上げ、気づくと深夜0時を過ぎていた。
私は自分へのご褒美にと、持ち込んでいたビールを飲んで眠りについた。おやすみなさい……。
〜翌朝〜
リンリンリンリンリン♪
電話が鳴る。頼んでいた7時のモーニングコールだ。寝ぼけながら電話に出たが、その後また就寝。8時を過ぎるとまた電話が鳴り、どうやら朝ごはんが運ばれてきたのだが、寝てて気づかなかったのだ。あらためて運ばれた朝ごはんは……
わー! 豪華!!
まさに旅館の朝ごはんだ! いただきまーす♪
朝ごはんをいただき、着替えをして、帰る準備をする。朝も少し執筆できたらいいなと思っていたが、夜も遅かったのでできなかった。まあ、いいだろう。十分頑張った。
10時になりチェックアウトへ。他の先生方のチェックアウトも重なり、バタバタしていたのもあったせいか、進捗などは聞かれなかった。ここで最後の仕上がり確認があったらよかったな。
なにはともあれ、無事に文豪缶詰プランを終了! 老舗の旅館で文豪気分を味わうということは、非日常的で感慨深く、率直に楽しかった。
今度は鳳明館にプライベートで泊まりに来てみたい。素敵なレトロ建築がどんどんなくなっていく中、是非多くの人に足を運んで欲しいと思う。
編集の皆さん、鳳明館の女将さん、本当にお世話になりました!!
宿泊料金(8000円)
進捗コール(無料)
文机(2000円)
担当編集チーム(3000円)
外から見張られている(1000円)
お膳朝食(1200円)
差し入れ(1000円)
合計金額:税込1万6200円
文豪缶詰プラン特設サイト
場所 鳳明館 森川別館
住所 〒113-0033 東京都文京区本郷6-23-5
Report:千絵ノムラ
Photo:RocketNews24.