VR(ヴァーチャルリアリティ)も、だんだんとなじみ深いものになってきましたが、その体験が出来る施設に93歳のゲストがやってきたそうです。
彼女がどんな体験をしたのか、スタッフが投稿した内容が大きな反響を呼んでいました。
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VR(ヴァーチャルリアリティ)も、だんだんとなじみ深いものになってきましたが、その体験が出来る施設に93歳のゲストがやってきたそうです。
彼女がどんな体験をしたのか、スタッフが投稿した内容が大きな反響を呼んでいました。
続きを読むこんな時代だからこそ持っておきたい保存食。特に、日本人ならば、いざという時食べたくなるのはご飯だろう。以前の記事で缶詰ご飯を湯煎して食べ比べたが、非常時は火を起こすのも結構手間かもしれない。
そこで今回は、水を注ぐだけでご飯ができる「アルファ米」を食べ比べてみよう。乾燥した米を水で戻すこの保存食。はたして、どれくらいご飯の味に戻るのか?
購入したメーカーは、「尾西(おにし)」「アルファー食品」「サタケ」「ヤギショー」の4社。調べたところ、尾西、アルファー食品、サタケはアルファ米界では結構有名なようである。
ヤギショーは実力の程は不明だが、アウトドア用品専門店・石井スポーツに置かれており、商品名が「米々軒(まいまいけん)」と米への並々ならぬ情熱を感じたため買ってみた。
作り方はどれも同じ。まずは、袋を開け、脱酸素剤とスプーンを取り出す。その後、内側の注水線まで水を注いで1時間待つだけ。
ちなみに、今回はあえて水で作れるものを選んでいるため水で作っているが、もちろんアルファ米はお湯で作ることも可能。熱湯だと待ち時間は15分くらいに短縮されるようだ。
とは言え、アルファ米を食べるのが初めての私。本当にあのカピカピの状態から水だけで元の米に戻るのだろうか? 戻りきらず固い部分が残ったりしてそう……。1時間後、多少の不安と共に封を開けてみると……
普通にご飯だった。
スプーンですくうと感触はモチッと柔らかい。スゲエッ! 未来キテる!! パックに塊で入っている感じもどことなく近未来チックだ。『攻殻機動隊』のバトーさんが食べてそうである。
出来上がりの量的には、「尾西」「アルファー食品」「サタケ」がお茶碗大盛1杯分くらい。「ヤギショー」は量が多く、カレー皿大盛一杯くらいある。その分「ヤギショー」は他より価格が高いが、量的には2倍くらいの差があるのでコスパは悪くないように感じた。
まずは小手調べ的な感じで、アルファー食品の「安心米」を食べてみると、思っていたよりご飯の食感がする。味的には炊き立てより少し風味は落ちるものの、モチッとしたその食感は完全にご飯だ。
ひと通り食べた結果、全て想像していたよりウマイ飯に仕上がっていた。総評は「アルファ米と言ってもちゃんとしたご飯じゃん」という感じ。個人的ランキングをまとめると以下の通りである。なお、今回使用した「尾西」「アルファー食品」「サタケ」はわかめごはんだが、ランキングはご飯の味のみの評価と考えていただけると幸いだ。
1位 ヤギショー「米々軒 白いご飯大盛り(税込540円)」
2位 尾西食品「尾西のわかめごはん(税込328円)」
3位 アルファー食品「安心米 わかめご飯(税込345円)」
4位 サタケ「マジックライス わかめご飯(税込346円)」
──前述した通り、アルファー食品は普通にご飯の味がしたわけだが、その後尾西食品を食べてみたところ、米が良い具合に固く、より粒立ちがハッキリしているように感じた。尾西のアルファ米を味わった後に、アルファー食品を食べると、若干パサついて感じるのである。
だが、そんな尾西さえも上回ったのがヤギショー。米の甘みすら感じるその味は、炊き立て……まではいかなくとも、保温で少し置いた程度までは蘇っている。「米々軒」の名に偽りなしの米へのこだわりだ。
とは言え、前述した通り、ヤギショーは550gと結構量がある。保存食として考えると、これは家族などシェア向けかもしれない。逆に、1人用に備蓄する保存食だと尾西食品の量がちょうど良いように感じた。
尾西食品も2位とは言え味的には十分ご飯の旨みがあるため、1人暮らしの自分がどれを備蓄するかと考えると、尾西食品になりそうである。ちょっと安いしな。
ヤギショー的には、まさに勝負に勝って試合に負けるというヤツだが、まあ、この2つは味的には使い勝手で決めて良いくらいの僅差だったということ。状況は人によって変わると思われるので、備蓄の参考にしていただけると幸いである。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
アルコール類が通常より安く提供されるハッピーアワー。それはすべての酒飲みたちにとっての魔法の時間、エンペラータイムに他ならない。最近はファミレスなんかでも実施されているため、利用したことがある人は多いんじゃないか。
さて、ここからが本題である。実は我らが「串カツ田中」にもハッピーアワーが存在するのだが、聞くところによると普通のハッピーアワーではないらしい。『超絶ハッピーアワー』だというのだ。何やそれ! しかし……実際に利用してみた結果、これがマジで超絶だったためお伝えしたい。
ある日の夕方17時。詳しいことはよく分からんが、とりあえずオープン直後の串カツ田中にやって来た私(あひるねこ)。さっそく『超絶ハッピーアワー』なるエンペラータイムを体験しようと思うぞ。うまくいけば私も “超絶あひるねこ” になれるかもしれない。
ガラガラっと入店し、超絶的に席に着いて超絶的にメニューを眺める。が! どこがどう『超絶ハッピーアワー』なのかイマイチ分からない。これでは超絶あひるねこ化できないではないか……と思った次の瞬間。
後ろの貼り紙に注目してほしい。
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『ジムビームハイボール』と『定番レモンサワー』が……
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1杯50円(税抜)だと……ッ!?
ほ、ほんげェェェェエエエエ! 安すぎィィィィィイイイイ!! 平日18時までとは言え、尋常ではない安さである。某アイスキャンディーより安いではないか。しかも何杯頼んでも50円らしいぞ! まさに超絶ッッ!! というわけで……。
すぐさまレモンサワーを注文した。
値段は50円でも、しっかりジョッキで1杯来るのだからありがたい。早い時間からのウマい酒で心と喉を癒していると、そこへ運ばれてきたのがお通しのキャベツとソースだ。
※現在はソースディスペンサーでかける方法に変更となっています。
こちらは税抜250円だが、おかわり自由なので田中飲みの強い味方となる。『超絶ハッピーアワー』と併用すれば確実に無双できることだろう。そこで今回は、1000円以内でどこまで行けるかガチで検証してみたい(税抜価格)。今から18時までの約1時間……突っ走るぜ!
とその前に、まずは現状から把握しておこう。レモンサワーが50円&キャベツが250円なので、残された予算はあと700円ということになる。これを限られた時間内でいかに有効に使うかがカギだ。さあさあ、考えている間もキャベツをポリからの……
ハイボールをグビである。
訓練された酒飲みならば、キャベツのみで戦い抜くことも十分に可能。しかし、串カツ田中に来てそれを実践するのは、いささか礼儀を欠いている気もしなくはない。串カツもしっかり楽しんでこそ、真の “せんべろ道” というものではないだろうか。
酒は10分で1杯ペースとして……ブツブツ。あらゆる1000円シミュレーションを重ねた末に、私が導き出した答えが……コレだッ!
左から串カツ豚(税抜120円)、串カツ牛(税抜120円)、レンコン(税抜100円)、玉ネギ(税抜100円)という攻守ともに優れた鉄壁のラインナップ。実にウマそうである。これを熱々のうちにガブリしてからーの……
やはりハイボールをグビ。
揚げたての串カツとハイボールの相性の良さは、まさに超絶の一言。ますます酒もすすむってもんだ。こうして約1時間、たっぷり『超絶ハッピーアワー』を楽しんだ私が飲んだアルコールの合計数は……
なんと6杯ッ!!!
ちなみにこれ、全部合わせて300円である(税抜)。1杯の値段じゃないぞ? 6杯分でたった300円なのだ! 安ゥゥゥゥゥゥウウウウ!!
本日注文したものを振り返ると、以下のようになる。
・ジムビームハイボール × 3(税抜150円)
・定番レモンサワー × 3(税抜150円)
・串カツ × 4(税抜440円)
・お通しキャベツ(税抜250円)
……お分かりいただけただろうか? これらすべての合計金額は、驚くことに税抜990円だ。そう、本当に1000円以内で収まってしまったのである。リアルせんべろ……! 6杯飲んだのにリアルせんべろ……!!
まさしく『超絶ハッピーアワー』の破壊力を目の当たりにした瞬間だった。超絶スゲェ。私も無事、超絶あひるねこになれた……ような気がする。
『超絶ハッピーアワー』は平日の開店から18時まで、すべての串カツ田中(国際通り横丁店、東京ドーム店、アリオ亀有店を除く)で実施されているぞ。開店時間は店舗によって異なるから気を付けてくれよな。仕事が早く終わった日は、田中で超絶ハッピーになろうぜ!
会員ならばご存じかと思うが、コストコは意外と攻めた商品が多い。「これどこに置くんだよ!」「いくつ売れるんだよ!!」的な馬鹿デカい遊具のことではなく、大人気の総菜コーナーの話である。
例えば以前の記事でご紹介した「台湾まぜそば」はコストコらしからぬメニューの代表格であろう。そして最近登場した『ヤムウンセン』もコストコとはあまり親和性のないメニューである。ところがどっこい、コスパは最高! ただし、ただし、ただし……!!
『ヤムウンセン』と聞いて何のことかわかる人は、なかなかのタイ料理通といえよう。ヤムウンセンの “ヤム” はタイ語で「あえる」という意味。“ウンセン” は「春雨」を指す言葉で、簡単にいうと「タイ風 春雨サラダ」のことである。
このヤムウンセン、日本ではかなりポピュラーなタイ料理の1つで、ネームバリュー的には、トムヤムクン・ガパオ・パッタイ・カオマンガイに次ぐ知名度を誇っているのではなかろうか? タイ料理屋に出かけたら「とりあえずヤムウンセン」という人も少なくないハズだ。
とはいえ、所詮は私(P.K.サンジュン)を含むタイ料理大好きっ子たちに通じる話で、一般的にはまだまだ『ヤムウンセン』の知名度は低いことだろう。その『ヤムウンセン』がコストコの総菜になるとは……! いちタイ料理ファンとして涙を禁じ得ない。
だもんで、コストコで『ヤムウンセン』を発見してしまったからには、当然のように購入することが私の宿命(さだめ)──。どうかコストコのヤムウンセンが超絶美味しくて、これをきっかけに多くの人に知ってもらえますように……!! 頼むぞ、コストコのヤムウンセン。
で、コストコの『ヤムウンセン』の重量はズッシリ重い850グラム。価格は税込1180円だ。ここで注目して欲しいのは、ボリュームと価格のコスパの良さ。ぶっちゃけ、タイ料理屋のヤムウンセンはさほど多くなく、価格も普通に1000円くらいはする。店で出てくる3~4倍の量でこの価格なら、この時点でお得感はエゲツない。
とはいえ、大切なのは味。私はタイを、タイ料理を、そしてヤムウンセンを愛している。故にここはビシッと厳しくジャッジしようではないか。ボリュームと価格は高得点として、具の方はというと……!
これがすっごいッッッ!!
とにかく目を引くのが「エビ」の量である。知らない人が食べたら「エビのサラダ?」と勘違いしかねないほど、エビは超ボリューミー。私は自分でもヤムウンセンを作るのだが、この価格でこの量のエビは入れられない。悔しいが自分で作るよりも安いハズだ。
このボリューム、この価格、このエビの量……! 「コストコのヤムウンセン最強ォォォオオオ!!」……と言いたいところだが、残念ながらそうは問屋が卸さなかった。なぜならば問題は味。コストコのヤムウンセンは決して美味しくないワケではない。いや、むしろ美味しい。ただこれって……
普通の春雨サラダやん。
そうなのだ。商品名こそ『ヤムウンセン』を名乗っているが、正直これは『ヤムウンセン』ではない。名付けるなら「プチエスニック春雨サラダ」くらいだろうか? 柑橘系の酸味、スイートチリソースの甘辛さ、クセのあるナンプラーの塩分、そしてニンニク……これら全てが足りていない。
なので、本格的なヤムウンセンがお好みの人は、これらの調味料を追加し、味を整えてから食べるといいだろう。逆にそのままならタイ料理が苦手な人でも余裕で食べられるハズ。そういう意味でコストコの『ヤムウンセン』は、かなり万人受けする味であることは間違いない。
というワケで、コストコの『ヤムウンセン』は「美味しいしコスパも最高にいいけどヤムウンセンじゃない」ということになる。繰り返しになるが、本格的なヤムウンセンがお好みの人は味を整えてから食べることをお忘れなく。
オススメ度(☆5中): ☆☆☆☆(買って後悔しない)
また買う度(☆5中): ☆☆☆☆☆(味を整えれば問題なし)
オススメシチュエーション: 1家族でも十分に完食可能。2日で食べ切れる。
マスクが手放せない世の中になってしばらく経つが、切っても切り離せない問題が「耳の痛み」だ。マスクの紐を耳にかけ続けているとどうしてもキリキリ。対策グッズが増えているとはいえ、痛みに悩まされている人は少なくないだろう。
かくいう私もその1人。コロナ禍以前より、フックつきベルトなどを試して痛みに抗ってきたものの、完全な解決には至っていない。ただ……!!
先日、希望の光を見せてくれる商品がスーツのAOKIから販売された。「アジャスターつきマスク」とそのままではあるのだが、意外とありそうでないタイプだけに購入してみることにした。
ちなみに同商品は、7月に販売したクールマスク同様に抽選を突破しないと買えないようになっている。前回のマスクはAOKI自身も「やや小ぶり」と認めているように、顔面サイズによってはキチキチ。現に私のデカい顔はマスクに完全勝利してしまって締めつけられる感じが拭えなかった。
しかしあれからおよそ1カ月、AOKIはマスクの耳紐部分にシリコン製のアジャスターをつけて対応してきたワケだ。仕事が早いというか早すぎるあたり全国区の企業らしいが、まずは抽選を突破しなければ話にならない。ということでさっそく応募したところ……運良く抽選を通ってゲットできた!
アジャスターつきマスクの値段は税抜2700円(10枚入り)。繰り返し洗って使えてUVカット、通気性もいいなどといった文言がパッケージに並ぶが、これといって前作から大きな変化はない。ただ……!
アジャスターの存在、そして……
ほんの少しばかりマスクのサイズが大きくなっているように感じ、紐も長くなっているのが分かる。アジャスターは簡単にスライドできて紐の長さは自由自在!
これにより自分のベストポジションを探すことが可能になり、痒いところに手が届く仕様になっていた。あとは私の顔面でもアジャスターが仕事をしてくれるかどうか。
持った感じ一般的なサイズのように思えるがはたして……。ドキドキしながら装着してみると……
耳の痛みに希望の光が見えた!!
以前のクールマスクから紐部分が大きく改善されていて快適さが別次元。肝心の耳も余計なストレスを感じないくらいに余裕があって、ズルズル落ちるようなこともないのだ。これならば多くの人に対応可能。女性はもちろん、子どもでも大丈夫なはず。何なら顔のサイズが小さくなればなるほどアジャスターは仕事をしてくれるに違いない!
その上、AOKIのマスクは口元をふわっと優しく包み込んでくれているかのようで肌触りも気持ちいいから二重丸。まぁヒンヤリ具合こそ前作同様に気持ち程度だと感じたが、これから涼しくなっていくためそこまで気にすることもないだろう。
それにしても、アジャスター1つでこうも変わるとは……。個人的には、アジャスターをつけることでマスクの紐部分に “ゆとり” が生まれていたのが大きいというのが率直な感想だ。また、自分で自分のベストポジションを探せるのが自然と耳の痛みを軽減しているような気がする。
既存のマスクに対策グッズを使う手もあるが、デフォでアジャスターがついていれば付け焼き刃じゃなく計算された作りの可能性が高い。もしかしたらこれからアジャスターつきのマスクが流行するかも?
まだ暑い日は続いているけど、2020年の夏は終わった。お盆を過ぎたあたりから、夕方には涼しい秋を感じさせる風が吹き始めている。こんな季節の変わり目に、私(佐藤)は必ずワークマンに行くようにしている。
なぜなら、この変わり目の時期にちょうど良い商品を見つけられるからだ。お店に行くとやっぱりあった! 「エアロストレッチジャンパー」は今の時季にちょうどいい、ちょうど良すぎる! ワークマンの着眼点の秀逸さに、またしても驚かされてしまった……。
まずはこちらをご覧頂きたい。コレが紹介するジャンパーである。
え? 「どこがジャンパーなんだ!?」って? 慌てるでない。これからそのジャンパーをお見せするところだ。“秒” で終わるからちょっと待ちなさい。
3
2
1
はい!
どうだ! これがエアロストレッチジャンパーだ。右脇のファスナーを開いて裏返しにすると、小さくまとめることができてしまうのである!! 今の時季、朝夕は半袖だと肌寒く、日中は日差しが強くて暑い。とはいっても、上着1枚を持ち歩くのには少々邪魔になる。そんな時にコイツをカバンに忍ばせておけばいい。
コイツはそれだけでは終わらない。ワークマンはユーザーの心を読んでいるぞ。「長袖はまだ早いんじゃないの?」、そう思う人もいるだろう。ご安心を左右の袖にロールアップ用のベルトが付いているので、半袖として使うことができてしまう!
朝夕は長袖として着用し、肌寒さに備える。
日中は半袖として使用して、暑さを凌ぐ。出番がないと判断したら、ポーチ状にしてカバンの中にポイ! だ。
これで価格は税込2500円である。それにしてもワークマン、おそるべしである。作業服を通して人の行動を見透かしているようだ。どんだけユーザーの意見を吸い上げてんだってくらいによく出来てるぞ、このジャンパーは。マジで怖えよ、ワークマン……。とにかく、「暑さと肌寒さの間で何着ていいかわかんね~!!」っていう人は、ワークマンの商品をチェックしてみるといい。ちょうど良いものがあるかもよ。
参考リンク:ワークマンオンラインストア
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
辛い物を食べると必ずお腹の調子が悪くなるんだよね……。もうやめておこう、もうやめておこうとその時は深く反省するんだけど、しばらくするとまた食べちゃうんだよね……。人間ってこういう生き物だから戦争はなくならないと思うんだ。
漫画:ザックKT-4
当編集部がある東京・新宿において、去年と今年で何がもっとも変わったか? 個人的には外国人観光客の数だと思っている。ここ数年、新宿の街は昼夜問わず海外からの観光客で溢れていたが、今ではその姿を見ることはほとんどなくなってしまった。一体誰がこの光景を予想しただろうか?
だからというワケではないのだけど、私(あひるねこ)は最近、今から2~3年前にあった見知らぬ外国人との “ある出来事” を頻繁に思い出す。そう、それは些細な……あまりにも些細な出来事であったが、あの瞬間において我々は、これ以上ないほどに心を通い合わせたのだ。
いきなり具体的な名前を出してしまうと、これはJR中央線・中野駅前での話である。駅北口の広場にある公衆トイレ。そこが本稿の舞台だ。コロナウイルスとは無縁だった数年前のあの日、ちょうど私は駅前の公衆トイレに入ろうとしていた。
「サブカルの聖地」と言われる中野ブロードウェイには、毎日のように様々な外国人観光客が訪れる。まあ、それも今となっては過去の話なのだが、当時は駅周辺で外国人とすれ違うことが非常に多かったし、それが当たり前の光景だったように思う。しかしこの日、私が見かけた外国人男性は、少し様子がおかしかった。
私がトイレに向かって歩いていると、その先で同じくトイレに入ろうとしている一人の外国人の姿。おそらく中東系と思われる20代後半くらいの男性だ。男性はスーッとトイレに入って行くと……なぜかその数秒後に出てきたではないか。早すぎるだろ。個室が埋まってたのか? と思いきや、どうやらそういうワケではないらしい。
トイレから出てくるや否や、入口付近で辺りをキョロキョロと見回す男性。かと思ったら、急にどこか一点をジーッと見つめたりと明らかに挙動不審である。外国人とか関係なく、誰がどう見ても様子がおかしいのだ。アイツは一体何をしているんだ……?
あまりの不審者ぶりに軽く引きつつ、いざトイレに入ろうとすると、男性は私と入れ替わる形でその場からサーッと離れていった。正直、ちょっと怖い。今のは何だったんだろう……? しかし私は、そこでさらなる驚きの光景を目にする。トイレに入ると、なんと、洗面台の前に……女子が立っていたのだ。え……!?
駅前広場の公衆トイレは、入るとまず洗面台が設置してある(当時)。私の目に飛び込んできたのは、その前に立つ女子の後ろ姿だった。年齢はよく分からない。ギラギラ原色系の派手な古着ファッションに、長くボリュームのある金髪はところどころ青やピンクで染まっている。黙っていても目を引く風貌だ。
時間にして1秒くらいだろうか? 私は思わずその場で固まってしまった。男子トイレだと思って入ったら、中に女子がいるという状況に脳がバグったのだ。え、このまま進んでいいの? 何かあったらこっちが有罪になったりするの? ていうか、ここってホントに男子トイレだっけ? キャーとか言われたらどうしよう……。
そんなことをグルグル考えていると、身支度が済んだのか。振り返ってトイレから出ようとするド派手女子。お、終わったァァァァアアアア! しかし、終了を予感したその刹那。ふと見えた女子の顔は実に驚くべきものだった。マ、マジかよ……! そう、なんと洗面台に立っていた女子は……普通のおっさんだったのだ。
なんというかこう、そういうファッションのおっさんだった。ド派手な女子ではなく、ド派手なおっさんだった。伝わるか分からないが『攻殻機動隊』などで知られる映画監督・押井守にやや似たおっさんだった。押井守をオラつかせた感じのおっさんだった。……そう、おっさんだった。
今の時間は一体何だったのか? そう思うと同時に、どこか安心しながら小便器の前に立つ私。それにしても完膚なきまでにおっさんだったな……。するとその時! 先ほどの挙動不審な外国人男性が、なんと私の隣の小便器の前にスッと立ったのである。バチっと目が合う我々。瞬間、私はすべてを理解した。
そうか、お前もか……!
なるほど、男子トイレだと思って入ったら女子がいたので、彼もきっと驚いたのだろう。だからあの時、数秒で出てきて辺りを見回し、「これ、男子トイレのマークじゃないの……?」と怯え、その場から離れたのだ。そして中から出てきた女子を見て、「いや押井守やん!」となり、今に至ると……。分かる、分かるぜその気持ち。
男性の表情からは、安心と若干の気恥ずかしさが入り混じった奇妙なエモーションが見て取れた。言葉を交わしたワケではないし、そもそも言葉が通じるのかも分からないが、なんとなく “仲良くなれそうな空気” がその場に漂う。
結局、私たちは別々にトイレを後にするものの、あの時、あの瞬間において、二人の心がこれ以上ないほどに通い合ったことは言うまでもないだろう。そこには人種や言葉を超越した、同じ体験をした者同士にしか分からない絆のようなものが確かに存在したのだ。
名も知らぬ彼が、再び日本に来られる日が来ることを切に願う。そして押井守似のおっさん、マジで死ぬほど紛らわしかったけど……なんかありがとう。
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.