株を運用するためには元手がいる。ひと株500円だとしても、基本的に最低100株からの購入になるためだ。暴落のNTT株でも100株買うだけで約24万円かかったのは以前の記事でお伝えした通り。
しかし、現在、常軌を逸して安くなっている株がある。そう、2020年10月3日に上場廃止する「Nuts(ナッツ)」だ。現在、価格は1円! ひゃっほー1万株買っても1万円だぜー!! というわけで1万株買ってみた。
・ナッツとは
上場企業で今年2社目の倒産となった「Nuts(ナッツ)」。サイトの会社沿革によると、レンタルビデオ屋から始まり、2004年に上場、最近はパチンコなどの企画・版権管理や医療関連事業に力を入れていたようだ。
かつてフランチャイズ経営していたゲームチェーン「トップボーイ」が、1995年に店舗数150店舗を達成しているのを見ると、諸行無常を感じずにはいられない。
この倒産劇は様々なニュースで報じられているため、ご存知の方も多いと思うが、倒産する時株ってどうなるんだろうか? トレーダー歴1カ月未満の私にとって初めての上場企業の倒産である。そこで、チャートを見始めたわけだ。
・バグってる
私が見始めた時、株価はすでに4円と3円の間を上下している状態。1時間の間に上昇の緑ラインと下降の赤ラインが目まぐるしく入れ替わり、バグったファミコンの画面みたいになっている。そんなチャートを3日間ほど見ているとあることに気づいた。それは……
安いところで買って高いところで売ったら儲かるのでは?
ということ。もちろん、いくら派手に見えても1円以内の動きなので100株程度だと儲からない。しかし、株価が安いので母数を増やせばちゃんとした収益が出るのではないか。あれ? これ逆に買い時じゃない?
・いってまえ
とは言え、初心者の私がパッと考えつくくらいだから、同じことを考える人がいないわけがない。そういった思惑で買う人がいるからチャートの動きがこんなに激しくなっているのだろう。要はみんな買って上がった瞬間すぐ売ってるのだ。
ということは、今この株を買う人は、安いところで買いたいし高いところで売りたい人。いかに安く買うかが勝負である。幸い、この3日で、株価は1円にまで下がっているし、売れなかったとしても1万円ならそこまでの痛手ではない。えーい! いってまえー!!
・指値注文
というわけで、まずは指値で買い注文をいれる。指値注文とは、あらかじめ設定した価格になると自動的に売買してくれるシステム。まあ、ざっくり言うと予約のようなものだ。今株価は1円と2円の間を行き来しているため、1円で注文を入れてみたが……
結論から言うと、株式市場が閉まる15時まで買えなかった。みんな同じこと考えてるとは言え、売るどころか買うこともできないとは……。そこで、夜間取引を見てみることにした。
・夜間取引とは
実は、市場が閉まった後でも株取引は行われており株価は動いている。夜間取引とは、17時30分から23時59分まで取引ができる仕組み。楽天証券のアプリだと、左上の銘柄下の市場の名前をクリックして、夜間取引に対応している市場に合わせるだけで売買できる。
そこはかとなく “プロ感” があったため、これまでノータッチだったが、改めてクリックしてみると昼と変わらないことに驚いた。もっと書類とかアレする感じの面倒くさいもんかと思ってたよ。
・初めてのジャスダック以外の市場
楽天証券アプリで夜間取引に対応している市場は「Chi-X」と「JNX」。チャートを見てみると、1.3円とか小数点以下の値動きまで表示されている。もちろん、指値の注文も小数点以下が指定できるため、1円ごとのジャスダックより細かい。裏ステージ感がスゲエ……。
まあ、クリックするだけで入れ替わるので裏でもなんでもないのだろうが。さて置き、ナッツの株価は小数点以下だと結構動いていた。現在のチャートを見ると、1.2円から1.6円くらいまで上がっている瞬間も。そこで1万株を1.3円で指値買いしてみたところ……
普通に買えた。
あとは、1.3円で売れば儲かるはず。いくら何でも一番高くは売れないだろうから、指値売りで1万株1.4円を入力し注文ポチッ!
・売れるか?
はたして売れるのだろうか? 指値売りは結構売れないことあるからなあ。まして10月3日に上場廃止するわけだし、さすがに今の時期売れにくいんじゃないかなあ。
と思いきや、あっさり売れた。落ち着くためにティータイムを挟んでアプリ起動したらもう売れてた。マジかよ! 株取引で初めて儲けが出てしまった!! その額なんと……
945円。
株取引を始める前に想像していた「大金を動かす」イメージからはほど遠いみみっちさだった。しかし、この945円は私にとっては大きな一歩。なんたって初めての儲けである。
投資家は1日にして成らず。ここから始めようじゃないか。現在の総資産は36万4868円で、評価損益額は-2万9778円。NTT株が足を引っ張りまくっているがコツコツ行こう。伸びしろ伸びしろォォォオオオ!
参考リンク:帝国データバンク、楽天証券、Nuts
Report:中澤星児